石炭火力発電所の2030年までの全廃をめざして。

石炭は、化石燃料の中でもLNGや石油に比べてCO2排出量が多い燃料です。そのため、”世界最高効率”などとうたわれる発電所であっても、CO2の排出は石油火力発電並にしかならず、LNG高効率発電の約2倍にもなります。気温上昇を1.5度に抑えるためには、先進国は遅くとも2030年までに既存の石炭火力を廃止することが不可欠です。

また、近年、水素やアンモニア、バイオマスを石炭火力に混焼させる発電が進められていますが、これにも様々な問題があります。気候危機を回避するためには、石炭火力を中止するとともに、再生可能エネルギーなどCO2排出の少ない発電方法や省エネを推進すること、そして、これまで石炭火力発電所で働いてきた方たちの雇用や、火力発電所とともに成り立っていた地域社会における多様な課題に向き合い、脱炭素社会へと移行するための「公正な移行」を考えていくことが大切です。気候ネットワークでは、国内外の環境NGOと連携して、日本の石炭火力発電所を2030年までに脱却することを目指しています。

主な活動

気候ネットワークでは、石炭火力発電所の全廃を目指して、主に以下の活動を展開しています。

Japan Beyond Coal ~石炭のない未来へ~の運営

気候ネットワークでは、150基以上存在する国内の石炭火力発電所を2030年までにゼロにするためのプラットフォーム「Japan Beyond Coal ~石炭のない未来へ~」のウェブサイトを運営しています。2020年9月からスタートしたこのサイトでは、石炭火力の何が問題かを解説し、国内の石炭火力発電所を地図上にマッピングするとともに、その動向(建設中・稼働中・廃止など)のデータベースを1カ月ごとに更新しています。また、石炭関連の情報をニュースにして紹介したり、関連のレポートや動画、ファクトシートなどを随時更新しています。

Japan Beyond Coal ウェブサイト https://beyond-coal.jp/

各地の石炭火力発電所反対運動の支援・協働

石炭火力発電所の建設計画や既存の設備がある地域では、住民による”考える会”などが石炭火力発電所の建設あるいは操業に対する反対運動を展開しています。気候ネットワークはこうした地域の活動に対して、石炭火力に関する情報提供をはじめ、各地のネットワーク、地元でのセミナーの開催、ニュースレターの発行、地域でのアクションなどに協力しています。もし、石炭火力のある地域での活動に参加したい、地域での活動を展開したいという方はご連絡ください。

石炭火力発電所関連訴訟のサポート

石炭火力発電所の建設計画あるいは操業に対して、地元住民が中心となって訴訟を提起しています。これまでに仙台、横須賀、神戸で展開しており、気候ネットワークもこの裁判に協力しています。

石炭火力発電関連の提言やレポートの発行

石炭火力関連の提言やレポートを随時発行しています。

<これまでの提言やレポート>