気候ネットワークは2021年10月27日、ポジションペーパー「水素・アンモニア発電の課題:化石燃料採掘を拡大させ、石炭・L N G 火力を温存させる選択肢」を発行しました。

カーボンニュートラルの実現に向け、日本政府は火力発電システムを維持しながら水素・アンモニアを燃料として利用する方針を示しており、多額の補助金等を通じて、関連企業が事業展開を進めています。しかし、それらの事業は東南アジアや北米、ロシア、オーストラリアなどにおける天然ガスや褐炭から水素やアンモニアを製造しているものがほとんどであり、実態は新たな化石燃料開発事業です。

パリ協定の1.5℃目標達成のために、先進国は2030 年に石炭火力全廃、2035 年に脱炭素化が求められています。それに照らした際の水素・アンモニア発電の課題として、本ポジションペーパーは以下のような点を示しています。

  • 水素・アンモニア製造に排出されるCO2をCCUSによって削減するとしているが、CCUS実用化までは排出が伴い、実用化にも課題が多い。
  • アンモニアや水素の混焼が可能となった場合でも、残りの燃料として化石燃料を燃焼し続けることになり、大量のCO2排出が続く。
  • 極めて高コストな技術であり、脱炭素化が加速し、再生可能エネルギーのコストが低下するにつれて価値が下がり、座礁資産リスクがある。

ポジションペーパー

水素・アンモニア発電の課題:化石燃料採掘を拡大させ、石炭・L N G 火力を温存させる選択肢

A4判/18ページ

発行:2021年10月(2022年9月一部修正)

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