<プレスリリース>

2030年に少なくとも60%以上の削減を
提言レポート「2050年ネットゼロへの道すじ」発表

2021年3月19日
特定非営利活動法人気候ネットワーク

 気候ネットワークは本日、日本が2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を達成するために、日本として掲げるべき2030年・2040年目標と、実施すべき政策措置について提言するレポート「2050年ネットゼロへの道すじー2030年・2040年の削減目標と政策提案」を発表しました。
 本レポートでは、地球の平均気温を1.5℃にとどめるために、世界の温室効果ガス排出を2030年までに半減しなくてはならないことを踏まえ、1.5℃目標と整合する科学に基づく日本の削減水準に関する分析を参考に、日本が、温室効果ガス排出量を2030年に2013年度比60%以上(1990年比56%以上)削減、2040年に80%以上(1990年比78%以上)削減との目標を定めるよう提案しています。
 また、各部門の対策の方向性とその水準を提案し、削減可能性に関する試算を行い、適切かつ速やかに提起する対策をとり、政策措置を強化することにより、提案する削減目標の達成は可能であることを確認しています。

 さらに、その目標達成のために、以下の10の重要政策を実施することを提案しています。
 ① 目標設定と達成プロセスの法定化
 ② 炭素への価格付け ーカーボンプライシング
 ③ 脱火力・脱原発の政府目標化
 ④ 労働の公正な移行(Just Transition)政策
 ⑤ 再エネ導入拡大政策
 ⑥ 自動車EV 化と徒歩・自転車・公共交通機関へのモーダルシフト
 ⑦ 住宅・建築物、機器の規制強化
 ⑧ 廃棄物削減・脱プラ政策
 ⑨ Fガス(代替フロン等4 ガス)規制
 ⑩ 金融政策強化

 今年は、4月のアメリカのバイデン大統領が主催するサミットの開催につづき、6月にはイギリスが議長国のG7、10月にはイタリアが議長国のG20、そして11月にはイギリスが議長国のCOP26と、気候変動が重要課題として議論される国際会議が連続して開催される予定です。その重要なテーマが、2030年の温室効果ガス排出削減目標の引き上げです。現在日本では、地球温暖化対策計画とエネルギー基本計画の見直しが進められています。国際社会とともに1.5℃の目標達成を目指していくために、その検討プロセスにおいて、気候変動政策の強化方針を固め、日本の2030年の目標を大きく引き上げる必要があります。

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プレスリリース 提言レポート「2050年ネットゼロへの道すじ」

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