原発・石炭推進の時代錯誤な計画はいらない
?2014年4月11日
認定NPO法人気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵
本日4月11日、政府は、2月にまとめた「エネルギー基本計画案」を修文し、閣議決定した。当初は「震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見 直す」からはじまっていた前文を、これまでのエネルギー基本計画の経緯の説明を長々と書き加え、「白紙から見直す」覚悟も薄められた。原子力については、 福島での悲惨な原発事故を省みることなくこの先も原発依存を貫くとし、気候変動の危機的状況にも向き合わず石炭火力発電推進に暴走する、時代錯誤といわざるを得ないものである。終盤で争点になったと伝えられた「再生可能エネルギーの導入目標」も結局は盛り込まれなかった。
国民の多くは、2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、これまで原発に依存してきた私たちの社会のあり方を大きく見直すと ともに、政府が「エネルギー基本計画」をゼロベースで見直し、脱原発の実現と地域分散型の新しいエネルギー社会へと大きく舵をきることに期待してきた。 「脱原発」を求めて、国会周辺だけではなく全国的に繰り広げられた大規模デモや、これまでに10万人近くの人たちがパブリックコメントを提出するなど、その声を政治家や政策決定者に様々な形で届けようと、行動してきたのである。その国民の声を無視し、経済産業省と一部の利害関係者の思惑によってつくられた 今回の計画を了承した自民党・公明党の罪は重い。
今年3月には、IPCC第5次評価報告書第2作業部会報告が公表され、「気候変動による影響は全ての人が避けることができない」こと、大幅な温室効果ガス削減が不可欠であることが、重ねて確認された。IPCC横浜会議では、石原環境大臣自ら、「政策立案者は、現状の温暖化対策では限界があることを認識し、政策転換が必要であることも理解しなければならない」として、温暖化対策の政策転換の必要性について世界に向けて発信した。それにもかかわらず、 石炭火力発電を推進する旧来の政策を貫く、今回の「エネルギー基本計画」の閣議決定に強く抗議する。
以上
声明本文データ
「エネルギー基本計画」閣議決定への抗議 原発・石炭推進の時代錯誤な計画はいらない(2014年4月11日 PDF)
関連リンク
気候ネットワーク意見 「エネルギー基本計画」政府案 原発事故の教訓も踏まえず地球環境の危機にも向き合わない内容は受け入れられない(2014年3月4日 PDF)
政府が閣議決定した「エネルギー基本計画」(2014年4月11日)
政府の「エネルギー基本計画」の原案(2014年2月25日)
新しい「エネルギー基本計画」策定に向けたパブリックコメントの結果(2014年2月25日)
「エネルギー基本計画」に対しての意見 気候ネットワーク(2013年12月18日)
「環境・エネルギー政策に関する国民対話」2010年5月14日~6月11日
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