気候ネットワークポジションペーパー発表
~CO2回収・利用・貯留(CCUS)への期待は危うい~

2019年6 月25日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
代表 浅岡美恵

気候ネットワークは25日、ポジションペーパー「CO2回収・利用・貯留(CCUS)への期待は危うい」をまとめ、公表した。CCUSは、火力発電所等から排ガス中の二酸化炭素(CO2)を分離回収(Capture)し、利用(Usage)または貯留(Storage)する技術を指すが、政府が長期気候変動対策の柱に位置づけている『革新的イノベーション』の技術の一つである。本ペーパーでは、CCUSは有効性、経済性、環境影響の懸念や技術的リスクなど複数の問題を抱える不確実な技術であり、実用化のめどもたっていないことを紹介。コスト面からも合理性が見出せないとして、CCUやCCSを政策の重点として今後も火力発電に依存し続けることは不適切であるとしている。実用化に期待を抱き続けて投資を継続することは、化石燃料関連事業者への補助金を注ぎ込む延命策でしかなく、本来必要な脱石炭等の対策をいたずらに遅らせ、パリ協定の達成を一層困難にするだけだとしている。

今後、日本が石炭火力を推し進め、そのコストをさらに押し上げるCCSという日本独自の道を進むのではなく、コスト低減が進む再エネをより有効に活用するための系統の増強や制度改正等を推し進めることの方が明らかに合理的である。今必要なのは、石炭火力を始めとする化石燃料利用からの速やかな転換を進めることであり、政策の重点としては、エネルギー消費やCO2排出量を確実に削減する省エネルギー、および近年急速にコストが下がり、導入が加速している再生可能エネルギーを進め、本質的な対策に舵を切るべきだと結論づけている。

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ポジションペーパー CO2回収・利用・貯留(CCUS)への期待は危うい

プレスリリース 気候ネットワークポジションペーパー公表~CO2回収・利用・貯留(CCUS)への期待は危うい

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