2012年4月11日
「省エネルギーの可能性~2030年40%削減をめざして~」
~真の省エネ可能性はまだ追求されていない。10%削減程度の検討は論外~?
気候ネットワーク
気候ネットワークでは、ペーパー「省エネルギーの可能性~2030年40%削減をめざして~」を発表しました。主なポイントは次の通りです。
主なポイント
(1) 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会において、2030年を目途としたエネルギーのあり方について検討がされており、3月27日の会合で示された資料では、省電力は2010年度比▲10%を想定とされている。(一次エネルギー・最終エネルギー消費の省エネについては触れられていない。)
(2) 現行エネルギー基本計画を基本とする、これまでの国の省エネ政策・対策は、経済成長に伴うエネルギー消費量の増加と、各部門の過大なエネルギー消費増を前提としつつ、民生・運輸部門を中心に講じるものとなっている。その延長線上でのアプローチを前提に、一部委員より「これ以上の省エネ対策の追加は難しい」と指摘されている。
(3) しかし、委員会で想定されている以上に、より大きな省エネ・省電力は可能である。省エネの大きな可能性は、エネルギー消費が大きい発電部門・産業部門にあるが、それらの部門についての省エネの追加対策は十分検討されてきておらず、講じられてきていない(実態把握も十分ではない)。今回の検討でも、適切に検討されていない。
(4) 発電部門には約6割の大きなロスがあり、効率向上の余地もあり、省エネの可能性は最も大きい。また、産業部門においても、設備更新等による効率向上などの可能性があるものが大きい事業所はいまだに多くある。また熱回収・利用の余地も極めて大きい。
(5) 民生・運輸対策の深掘りは現行計画以上にはあまり多く見込めそうもないが、発電・産業部門の省エネに力点を置き、適切な政策措置(省エネルギー目標、キャップ&トレード型の排出量取引制度、省エネ規制、優遇措置等)を講じることにより、省エネルギー40%以上(一次エネルギー・最終エネルギー消費)を目指すことも十分可能である。
ペーパー
ペーパー「省エネルギーの可能性~2030年40%削減をめざして~」本文(PDF:717KB)
関連リンク
- 経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会
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