四国電力株式会社が(仮称)仙台高松発電所計画から撤退を表明したことを受け、4月20日、気候ネットワークは環境NGO13団体と連名で同計画の共同事業者であり、単独で事業を継続するとしている住友商事株式会社社長宛に、計画からの早期撤退を求める申入れ書を送付しました。

住友商事株式会社 社長執行役員 兵頭誠之様

 

 (仮称)仙台高松発電所の計画に関する申し入れ

 

2018年4月20日

 

拝啓

 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。この度、貴社が宮城県仙台市で計画している(仮称)仙台高松発電所建設計画について、環境NGO14団体が連名で申し入れを行う次第です。

 2018年4月10日、共同で事業を実施する予定であった四国電力株式会社が、「十分な事業性が見込めない」ことを理由に計画からの撤退を発表しました。しかし、この発表に際して、「本計画については、住友商事株式会社が引き続き検討を進めること」も報告されました。石炭火力発電は、気候変動の要因であるCO2を大量に排出し、大気汚染物質を拡散して広範囲にわたって自然環境や人々の健康を損なうもので、私たちは四国電力株式会社の決断を歓迎するとともに、貴社の継続続行の姿勢に対しては深い懸念を抱いており、1日も早い撤退を求めます。

 2015年にパリ協定が採択されて以降、大手金融機関や機関投資家が次々と化石燃料関連事業からの投融資引き上げを決断したり、50以上の国・地方政府・企業や組織が、石炭火力発電からの段階的廃止を目指すことを宣言するなど、世界各国では脱石炭火力発電の流れがますます加速しています。こうした動きの背景には、石炭火力発電は持続可能な事業ではなく、さらに将来的には座礁資産化するリスクがあるとの認識があります。石炭火力発電事業を継続することは、日本有数の大企業であり、世界で66もの国・地域に拠点を持ち、国際的に事業を展開する貴社のイメージを悪化させるものでもあります。

 規模の大小や設備の精度を問わず、石炭火力発電は今後新たな建設が容認されるべきものではありません。貴社の発表によれば、貴社は国内外で持分発電容量100万kWにものぼる再生可能エネルギー発電事業を展開しており、今後も注力していくとされています。再生可能エネルギーへの転換が急務である今、貴社が石炭火力発電の問題と現状を踏まえ、(仮称)仙台高松発電所計画を再考し、早期撤回の判断を下されることを強く求めます。

敬具

特定非営利活動法人気候ネットワーク
350.org Japan
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
京都・水と緑をまもる連絡会
グリーン連合
認定NPO法人環境文明21
特定非営利活動法人A SEED JAPAN
eシフト
公害・地球環境問題懇談会
NPO法人くまもと未来ネット
特定非営利活動法人 地球環境市民会議(CASA)
JATAN
市民電力連絡会

<連絡先>特定非営利活動法人気候ネットワーク 東京事務所 電話:03-3263-9210

本文

(仮称)仙台高松発電所の計画に関する申し入れ(2018/4/20)

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