気候ネットワークは、現在パブリックコメント募集中のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の新制度に対し、以下の意見を提出しました。

▼パブリックコメントは以下3件があります(〆切:2026年8月22日23時59分)

  1. 農山漁村における再生可能エネルギーの促進による農山漁村の活性化に関する基本方針を改正する件の案の概要
    https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550004383&Mode=0
  2. 農山漁村再生可能エネルギー法に基づく設備整備計画の認定等に関する省令の一部を改正する省令案の概要
    https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550004382&Mode=0
  3. 農地法施行規則及び農山漁村再生可能エネルギー法施行規則の一部を改正する省令案
    https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550004381&Mode=0

パブコメ1. 基本方針を改正する件の案の概要に対して

Ⅰ 改正の趣旨
市町村による基本計画の作成について

自治体による基本計画の作成義務付けは時期尚早、見直すべきである。普及のための国による理解醸成と支援を強く求める。

営農型太陽光発電はまだ事例は国内に多くなく、各自治体に知見が十分に蓄積されているとはいえない現状で基本計画の作成を求めると、参入障壁が高まり普及が妨げられる。また営農者にとっても自治体の基本計画の作成を求めることは非常にハードルが高いため、十分な検討期間をもって見直すことを求めたい。また、もし基本計画の作成を求める場合であっても、自治体に向けた積極的な理解醸成と基本計画の作成支援に国が取り組むことを求める。

第2(6)
営農型太陽光発電の適正化について

営農型太陽光発電の規制化ではなく、持続可能な農業を後押しするインセンティブが必要

今回の方針は適正化というよりも規制の色が強く、優良な案件すら絞るものになりかねない。まず農業政策全体の中で、農家が持続的に営農できる仕組みやインセンティブが検討されるべきである。耕作放棄地の減少に寄与できる可能性を持つ営農型太陽光発電を規制する動きは、むしろ農業全体の縮小につながりかねず、長期的な持続性という観点から懸念する。

第2(6)②ア(ア)(iii)
生産・販売実績について

年間50万円の販売実績基準は非合理的 撤廃を求める

営農型太陽光発電という手法の誕生をきっかけに農業に新規参入し、地域で優良な事例を築いている例も多数ある。農業の持続性がますます重要なところ、意志ある新規参入者を積極的に奨励する仕組みが必要である。「年間50万円以上の生産・販売実績等を有しているなど、業としての農業の持続性が確保されていること。」との条件は、営農型太陽光発電をてこに農業へ新規参入することを困難にし、大規模事業者以外の参入を制限し、新規参入者のチャレンジしようとする意志をそぐものになってしまう。

また、土地や年によって状況や気候条件、各必要経費が変わるところを、一律に生産・販売実績50万円以上と足切りすることは非合理的である。本条件は撤廃するべきだ。

第2(6)②ア(イ)
品目について

特定品目の制限ではなく、その土地に適した多様な取り組みを認めるべきである

(i)「地域で一般的に栽培され、一般的な販路が確立されている品目」という点について、農業者の自律的・多様な取組をあいまいに排除する記載になっている。地域で一般的に栽培され、一般的な販路が確立されている農作物でなくとも、その土地の環境に適した作物であれば認めるべきと考える。ここで記載されている米・麦・大豆のように、食糧確保の観点から重要な作物があるのであれば、多様さを排除するのではなく、農業政策全体として食糧確保のための作物を積極的に支援するようなインセンティブをつけることが必要ではないか。また、前項の販売実績基準をあわせれば、米・麦・大豆であっても一定の面積が必要となり、一定規模以上の事業者以外にとっては非現実的となってしまうのではないか。農業政策全体の中で検討するべきものを営農型太陽光発電の責任として押し付けていないか懸念する。

また、「なお、これまでの実証研究等によると、米、麦、大豆は、イ(ア)に掲げる遮光環境下であっても、適切な栽培管理を前提に、①に掲げる単収を確保することが可能である。」と書いてあるが、一方で遮光率30%以上の環境下であってもこれらの作物は収穫できているという実態を踏まえるべき。

「初年度から毎年収穫」「3年以内に計画収量確保」とする期間制限は削除、または柔軟な対応とすべき 

(ii)耕作放棄地の再生や生育には時間がかかる。期間内に収量の確保を求めるのであれば、価格が高騰している肥料や燃料、人件費の支援が必要である。また、荒れた耕作放棄地の場合は期間内に間に合わせるために化学肥料に依存し、温室効果ガス排出を増やしかねない。少なくとも耕作放棄地の土壌再生、環境整備に要する時間(年数)を考慮すべき。

第2(6)②イ(ア)
遮光率について

遮光率30%未満」は営農の実態に即していない 撤廃を求める

今回、遮光率として30%未満を求めることが示されたが、「遮光率30%以上でも収量や品質を確保している事例が数多くある」ことは、自然エネルギー財団が2026年7月31日に発表したレポートでも複数の事例を引いて報告されている。
https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20260730.php

農林水産省のホームページで紹介されている事例は、特に信頼できるよい事例とみなされるが、その多く(大豆・麦・水稲を含む)も遮光率が30%以上である。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/einou.html 

遮光率30%未満という基準については、十分な根拠がなく、事業者からは営農の実態に即していないとの懸念の声も多く聞かれる。遮光率基準については様々な調査や事業者からのヒアリングをもとに、白紙に戻し慎重に検討すべきである。

第2(6)②イ(イ)
設備の高さと幅について

設備の高さと幅の明確な基準指定は撤廃し、作物や作業方法に応じ営農者が判断できるようにすべき

「ほ場からの最低地上高がおおむね3m以上、かつ、農業機械の通路の幅がおおむね4m以上確保されるよう支柱が設置されており、耕作者が農作業を効率的に行うことができる空間が確保できていること」とあるが、効率的とする設備の仕様については作物や作業方法に応じて営農者自身が個別に判断するべきで、明確な基準を定めるべきではない。本基準も撤廃を求める。

Ⅲ 今後の予定について

検討、施行にあたっての期間は十分な周知と説明機会を確保すべき

「公布・施行:令和8年9月末以降を予定」とあるが、自治体に基本計画の作成を求めることや、本改正が求める基準が営農に相当大きな影響を及ぼすことを考えれば、拙速に過ぎると考える。ゼロベースでの見直しを求めるが、最低限施行にあたっては十分な期間と自治体及び営農者への説明が必要である。

意見募集方法について

市民が意見を述べやすいように配慮を求める

今回の営農型太陽光発電に関する制度改正のパブリックコメントは3つの案件にまたがっており、e-govで探しても見逃しやすく、意見を求めようという姿勢があるのか懸念を抱いた。次回よりどこで意見募集を行っているのか統合し示してもらいたい。

パブコメ2. 設備整備計画の認定等に関する省令の一部を改正する省令案の概要に対して

Ⅰ 改正の趣旨について(p.1)

自治体の基本計画の作成義務付けは見直すべき

「農山漁村再エネ法に基づく市町村長による設備整備計画の認定の有無を踏まえ、一時転用許可の是非について判断できる仕組みとする」とあり、認定にあたっては基本計画の作成が必要となる。営農型太陽光発電はまだ事例は国内に多くなく、各自治体に知見が十分に蓄積されているとはいえないのではないか。そんな中自治体に基本計画の作成を求めても進むとは思えず、また営農者にとっても自治体の基本計画の作成を求めることは非常にハードルが高い。自治体に負担を増やし、またいたずらに参入障壁を高めないよう、十分な検討期間をもって見直すことを求めたい。また、もし基本計画の作成を求める場合であっても、自治体に向けた積極的な理解醸成と基本計画の作成支援に国が取り組むことを求める。

Ⅲ 今後の予定について(p.2)

ゼロベースで再検討を行うべき

「公布・施行:令和8年9月末以降を予定」とあるが、自治体に基本計画の作成を求めることや、本改正が求める基準が営農に相当大きな影響を及ぼすことを考えれば、拙速に過ぎると考える。ゼロベースでの見直しを求めるが、最低限施行にあたっては十分な期間と自治体および営農者への説明が必要である。

意見募集方法について

市民が意見を述べやすいように配慮を求める

今回の営農型太陽光発電に関する制度改正のパブリックコメントは3つの案件にまたがっており、e-govで探しても見逃しやすく、意見を求めようという姿勢があるのか懸念を抱いた。次回よりどこで意見募集を行っているのか統合し示してもらいたい。

パブコメ3. 施行規則の一部を改正する省令案に対して

Ⅰ基本的な方針について(p.10)

農山漁村再エネ法の基本的な方針の改定は白紙に戻して検討しなおすべき

「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する基本的な方針に基づき」とあるが、現在別途パブリックコメント募集中の基本的な方針には、以下の問題がある。

1, 自治体に基本計画作成を求めることで営農型太陽光発電の実施ハードルや自治体の負担が増す。
2, 状況が様々である営農者に対し、根拠なく一律に生産・販売実績50万円以上という基準を課し、中小規模の営農者の参画を難しくする。
3, 品目について、「地域で一般的に栽培され、一般的な販路が確立されている品目」というあいまいな文章を入れることで営農者の多様な取組の可能性を排除する恐れがある。また、期間内の収量確保を求めているが、こちらも多様な作物栽培の可能性を排除する。
4, 遮光率30%未満とすることを求めているが、営農の実態に即していないことが複数の報告から明らかになっており、基準の根拠が不十分である。
5, 設備の高さと幅について、営農者が自らの営農の計画に応じて判断するべきところを一律に規定しすることで参画を難しくしている。

これらの問題から、現在検討中の基本的な方針を白紙に戻し、問題のある案件の適正化を進めながらも、規制の方向ではなく、営農型太陽光発電が拡大するように抜本的に見直すことを求める。

今後の予定について(p.10)

ゼロベースで再検討を行うべき

「この省令は、令和九年四月一日から施行する」とあるが、自治体に基本計画の作成を求めることや、本改正が求める基準が営農に相当大きな影響を及ぼすことを考えれば、拙速に過ぎると考える。基本的な方針についてゼロベースでの見直しを求めるが、施行にあたっては最低限十分な期間と自治体や営農者への説明が必要である。

意見募集方法について

市民が意見を述べやすいように配慮を求める

今回の営農型太陽光発電に関する制度改正のパブリックコメントは3つの案件にまたがっており、e-govで探しても見逃しやすく、意見を求めようという姿勢があるのか懸念を抱いた。次回よりどこで意見募集を行っているのか統合し示してもらいたい。

さらにいえば、本省令案は横で提示されており、手元で縦に直す必要があり、読ませる気を感じなかった。改善を求める。

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