【意見書】地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令案(仮称)に対する意見

2022年1月27日(木)
特定非営利活動法人気候ネットワーク

2022年1月27日、気候ネットワークは、「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令案(仮称)に対する意見募集」にあたって、次の意見を日本政府に提出しました。

○該当箇所

1ページ「2 本省令案の内容 (1)地域脱炭素化促進施設の定義 ②再生可能エネルギー熱供給設備」における「大気中の熱」について

○意見の概要

「大気中の熱」とされるエアコンやエコキュートなどヒートポンプは、動力は主に電気であり、二次的に大気の熱を汲み上げるが、再生可能エネルギーとは言えないため、削除すること

○意見及び理由

 ヒートポンプは、一般に熱機関としては省エネ型装置である。一次エネルギーには主に電気をエネルギーに使う場合が多く、太陽熱や地熱などのように一次エネルギーとしての再生可能エネルギーの利用とは全く異なる。

 かつて、2010年の麻生政権下では、当時の再エネ目標設定の議論の際に、「20%という高い目標を達成するためには、ヒートポンプ等の導入を拡大し、それが利用する大気中等の熱を再生可能エネルギーに計上する必要がある」として、水増し議論にヒートポンプを使おうとした経緯がある。その後、この議論は構想だけでとどまり、現実に再エネとしてカウントするような方針はとられなかった。

 また、本省令は制定根拠として地球温暖化対策推進法を上げているが、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画の策定マニュアル等においては、ヒートポンプは省エネルギー対策として記載されている。

 今、あらためてこのような形で、地域の脱炭素化や再エネ普及に向けて動き出そうという法整備の中で、大気中の熱(ヒートポンプ)を再エネとして位置付ければ、地域によっては、再エネ目標を高く掲げても、エアコンやエコキュートの設置で計算上埋め合わせ、本来あるべき地熱・太陽熱・木質バイオマス熱などの普及が進まないということが起こりかねない。

 したがって、「大気中の熱」は削除すべきである。

 

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パブリックコメント募集

地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令案(仮称)に対する意見募集(パブリックコメント)について

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195210065&Mode=0

参考

【プレスリリース】政府の「再生可能エネルギー20%目標」はヒートポンプと、発電ロスの二重カウントで水増し~一次エネルギー比で20%目標に修正を!~(2009/08/03)

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