日本では、3.11直後には多くの商業施設や鉄道、店舗などでも、間引き照明や照度の調整、空調の緩和など、多くの省エネ努力が見られた。それに対して「明るすぎず、空調も効きすぎず、このくらいでちょうどよい」と感じた場面も多かった。
しかし現在は、特に商業施設や店舗において、冷暖房は効き過ぎ、照明も明るすぎというように、揺り戻しが目につくようになっている。時には「快適」な範囲を超え「過剰」な空調や照明も目立つ。
このように「明らかな無駄」「快適性をそこなう過剰さ」を改善することで、省エネルギーと顧客満足度の上昇とを同時に達成することにつなげられないか、という問題意識から、身近な真夏のスーパーマーケットの食品売り場の温度に注目した。2017年7~8月に有志で100店舗以上を調査し、その結果をもとに提言をまとめた。
調査結果概要
- 2017年の7月から8月にかけて、東京都と神奈川県の食品を扱うスーパーマーケット全106店舗を、14名で調査、小型温度測定器を持ち、売り場の温度を測定、ショーケースの状況や売り場の配置、冷気を感じるかどうかなどを確認した。
- 店内の最低温度が20℃未満であった店舗は106店舗中84店舗(2%)だった。
- 20℃未満の生鮮食品売り場付近では、特に「寒く」感じる場合が多かった。肉売り場や飲料売り場などで、15℃台、16℃台のところもあった。
- 生鮮食品売り場でも、「寒く」感じる店舗と、「寒く」感じない店舗がある。「寒さ」の原因は、オープンショーケースから漏れ出る冷気であると考えられる。
- 扉付きのショーケースや平型ショーケースなど、冷気漏れが少ないショーケースの導入が、「寒さ」対策と省エネ対策に役立つ。
首都圏店舗100軒調査 報告と提言「冷えすぎ改善で省エネと快適な買い物環境を」
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国際環境NGO FoE Japan、NPO法人気候ネットワーク、NPO法人世田谷みんなのエネルギー、足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ、環境まちづくりNPOエコメッセ、NPO法人川崎フューチャー・ネットワーク、NPO法人まちだ自然エネルギー協議会)
連絡先: FoE Japan 03-6909-5983 info@foejapan.org |