COP22マラケシュ会議の結果と評価
2016年11月21日(月)
特定非営利活動法人気候ネットワーク
マラケシュ会議の概要
国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22マラケシュ会議)が2016年11月7日から18日(19日未明)にかけて、北アフリカのモロッコの都市マラケシュにて開催されました。
マラケシュ会議に先立ち、11月4日には、「パリ協定」が発効しました。パリ協定は、昨年2015年のCOP21パリ会議で採択された、世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることをめざす国際条約であり、現在はこれを実施に移すための詳細ルール(ルールブック)をめぐる交渉が行われています。マラケシュ会議では今後の作業の進め方に合意することがめざされていました。
パリ協定が採択から1年足らずという異例のスピードで発効した祝賀ムードの中、交渉は比較的順調に進められました。パリ協定のルールブックをめぐっては、6つの議題にわかれて議論が行われ、2018年のCOP24を期限に合意することと、それまでの作業スケジュール(工程表)について合意されました。また、COP議長を務めたモロッコ政府より、各国に気候変動対策を呼びかける「マラケシュ行動宣言」が発出されました。今後は、工程表に沿って、パリ協定の実効性を高め、各国の目標や対策強化を促すことのできるルールブックを作成し、2018年までに合意することが課題です。
会期中、気候変動に懐疑的とされるトランプ氏が次期米国大統領に決まりましたが、会議の進行に悪影響はありませんでした。むしろ、「すでに発効したパリ協定の意義は揺らぐことはない」、「我が国はパリ協定のもと取り組みを続ける」との決意表明が多くの政府代表から聞かれました。また、マラケシュ会議では、パリ協定の採択と発効を受け、各国政府、地方自治体、ビジネスセクター、市民社会による気候変動対策や再生可能エネルギーのイニシアティブも数多く発表されました。
会議期間中の11月8日にパリ協定に締結した日本は、その出遅れを取り戻し、以下を通じてパリ協定の目標の達成に貢献し、国際的役割を果たしていく必要があります。
- 日本の長期低排出発展戦略の策定
- 国内の2030年までの排出削減目標の引き上げと政策措置の実施
- 原子力と石炭火力発電を推進する方針の抜本見直しと、実効的な政策措置の実施
ペーパー「COP22マラケシュ会議の結果と評価」全文(A4版・10ページ)
ペーパー「COP22マラケシュ会議の結果と評価」全文(A4版・10ページ)(2016/11/21)
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