気候をまもるパリ合意を求める共同声明

地球温暖化の進行に伴い、世界各地で強い台風、集中豪雨、熱波、干ばつなど、激甚な異常気象が発生しており、地球温暖化対策は人類の普遍的かつ喫緊の課題となっています。季節ごとに様々なたたずまいのある京都でも、長い歴史を経て先人が育んできた美しい自然や文化的遺産、そして安心・安全な生活が脅かされています。気候をまもり、将来世代に京都の自然・文化を引き継ぐために、私たちはあらゆる努力をしなければなりません。

1997年12月11日、この京都で誕生した「京都議定書」は、温室効果ガス排出削減を法的に義務付けた、歴史上初めての国際条約です。温室効果ガスを排出することに何ら制約がなかった時代から、排出に上限をもうけた脱炭素時代への道を切り拓いたという意味において歴史的な転換でした。それ以降、世界各国で脱化石燃料の政策が導入され、再生可能エネルギーの導入も加速してきています。もし京都議定書がなければ、地球温暖化対策の今はなかったでしょう。

しかし、危険な気候変動を防ぐには、さらなる努力が必要です。本日より約50日後の11月30日より、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)がフランスのパリで開催されます。この会議で、温室効果ガスを世界全体で大幅に削減するために、すべての国が参加する野心的で公平な法的枠組み合意を実現させなければなりません。このパリ合意を成功させ、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーへの転換を確固たるものとしなければなりません。

京都府、京都市は、京都議定書誕生の地としての誇りと使命感に基づき、ともに地球温暖化対策条例において、温室効果ガスを、1990年比で2020年までに25%削減、2030年までに40%削減という野心的な目標を掲げ、気候ネットワークなど市民団体と協働で省エネルギーや再生可能エネルギーの普及に取り組んできました。これらの取組は、CO2削減のみならず、エネルギーコストの節減、雇用の増加、地域コミュニティの活性化といった成果を生み出しています。京都に生きる私たちは、京都議定書の歴史的意義を踏まえ、その理念を基盤に、温暖化対策にこれまで以上に取り組むことを誓うとともに、気候をまもるためのパリ合意の実現を強く求めることをここに宣言します。

 

平成27年(2015年)10月10日

京都

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京都府知事 山田啓二
京都市長 門川大作
気候ネットワーク代表 浅岡美恵

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