2003年4月24日

京都議定書の発効を求めて
環境NGOが環境大臣にロシアへの働きかけを要請

 

気候ネットワーク 代表 浅岡 美恵

日本・東京発

地球温暖化の防止に取り組む環境NGO・7団体は、本日、環境大臣にあてて、4月25日からパリで開催されるG8環境大臣会合において、ロシア政府に対し、京都議定書を批准するよう、強く働きかけるよう要請する文書を提出した。

京都議定書は、温室効果ガスの削減目標値を具体的に定めた国際法であり、その発効は、温暖化を防ぐ上で不可欠なものである。また、日本政府は、京都議定書が採択された第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)の議長国として、議定書を発効させる責務を負っている。
 京都議定書は、先進国による温室効果ガス排出量の55%以上を占める、55カ国以上が批准することによって国際法として発効する。すでに批准国は「55カ国」に達しているものの、「55%」以上には至っていない。現在、ロシアの批准こそが発効条件達成のカギを握る状況にある。ロシア政府はヨハネスブルグサミット、及びCOP8で、議定書批准に向けた手続きに入ることを表明している。

G8環境大臣会合は、先進諸国の環境保全に責任を持つ代表者が集まる。京都メカニズム等によって抜け穴を探す議論をするのではなく、実質的に先進国における二酸化炭素の排出量を減らし、温暖化防止の実現をめざす絶好の機会であるといえる。

要請文書を提出した環境NGO・7団体は、すでに京都議定書を批准した日本政府が、ロシア政府に一刻も早く議定書を批准するよう、率先して説得にあたるべきだと考えている。京都議定書の批准と発効は、ロシアの持続可能でないエネルギー構造の改革につながり、地球規模での温暖化防止に大きく貢献するものだからである。

要請団体

環境エネルギー政策研究所(ISEP)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク
FoE JAPAN
WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
グリーンピース・ジャパン

 

問合せ

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