3月26日、石炭火力を考える東京湾の会は、(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画に融資している日本政策投資銀行および民間の5つの銀行(三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、十六銀行、南都銀行)に対して融資撤回を求める申し入れ書を送付しました。日本政策投資銀行にはあわせて面会を依頼しています。この申し入れには、気候ネットワークを含む10の環境団体・市民団体等が賛同しています。

株式会社日本政策投資銀行 代表取締役社長 渡辺 一様

(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画に対する融資撤回
及び当会との面会を求める申し入れ

2019年3月26日
石炭火力を考える東京湾の会

拝啓

時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。私たちは株式会社JERAによる石炭火力発電所「(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画(以下、同計画)」の中止を求め、他の市民団体などと連帯して活動を続けております。活動の一環として、昨年11月、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行に対して同計画への融資に関する質問状をお送りしました。この度は、貴行が同計画への融資を撤回することを求め、本状をお送りする次第です。

先般、経済産業省が株式会社JERAの事業再編計画を認定したことにより、JERA社が貴行からの長期・低利の大規模融資を受けることが可能となりました。その後、貴行を含む6つの銀行が同計画の開発資金として調達された2,720億円の融資を行い、貴行、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行が幹事会社を務めていると報じられました。

石炭火力は気候変動の要因であるCO2を数十年にわたって大量に排出し、同時に大気汚染物質による健康被害や環境汚染を引き起こします。今年2月には、国連の「児童の権利に関する条約」に基づいて設置される「児童の権利委員会」が日本の石炭火力政策の見直しを求める報告を発表し、石炭火力は環境問題にとどまらず人権を脅かすものと認識されています。

今、世界では、上記のような問題を抱える石炭火力発電に対してかつてないほど批判が強まっています。脱石炭火力発電のうねりは拡大を続ける一方であり、金融業界におけるダイベストメントの動きは特に顕著です。ご承知の通り、近年では世界の名だたる金融機関が次々と石炭火力への融資中止を決定し、昨年は日本でも複数の銀行が脱石炭方針を発表しています。

このような流れにもかかわらず、政府から1兆円を超す資本金出資を受け、私たちの税金が投入されている貴行が、石炭火力発電の問題点を直視せずに同計画への融資を実行することは極めて遺憾です。またこの融資は、「お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現」することを使命に据える貴行の経営理念に真っ向から反するものでもあります。

また、2017年以降、国内においても同計画と同規模かそれ以上の大規模な石炭火力発電計画が8基中止に至っていますが、それらは事業性が見込めないことが理由とされています。今後、省エネの浸透と再生可能エネルギーの導入に伴う電力需要の低下、CO2をはじめとする環境対策コストの上昇によって石炭火力発電が座礁資産となる可能性は高まるばかりであり、G20会合を控えて大規模の石炭火力を進める今回の融資は、貴行および国民にとって大きなリスクとも言えるでしょう。

同計画に対しては地域の人々の反対が根強く、私たちは今後も反対運動を広く展開していく所存です。石炭火力をめぐる情勢を見極め、貴行が一日も早く融資を撤回されることを強く求めます。

ついては、本件に関する貴行の見解を伺い、私たちの考えをお伝えするための面会の機会を設けていただきたく、ここにお願い申し上げます。貴行からのご連絡を心よりお待ちしております。

敬具

 

株式会社三井住友銀行 代表取締役 髙島 誠様
株式会社みずほ銀行 取締役頭取 藤原 弘治様
株式会社三菱UFJ銀行 取締役頭取執行役員 三毛 兼承様
株式会社十六銀行 取締役頭取 村瀬 幸雄様
株式会社南都銀行 取締役頭取 橋本 隆史様

(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画に対する融資撤回を求める申し入れ

2019年3月26日
石炭火力を考える東京湾の会

拝啓

時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。私たちは株式会社JERAによる石炭火力発電所「(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画(以下、同計画)」の中止を求め、他の市民団体などと連帯して活動を続けております。活動の一環として、昨年11月、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行に対して同計画への融資に関する質問状をお送りしました。この度は、貴行が同計画への融資を撤回することを求め、本状をお送りする次第です。

先般、経済産業省が株式会社JERAの事業再編計画を認定したことにより、JERA社が日本政策投資銀行からの長期・低利の大規模融資を受けることが可能となりました。その後、貴行に日本政策投資銀行を加えた6つの銀行が同計画の開発資金として調達された2,720億円の融資を行い、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、日本政策投資銀行が幹事会社を務めていると報じられました。

石炭火力は気候変動の要因であるCO2を数十年にわたって大量に排出し、同時に大気汚染物質による健康被害や環境汚染を引き起こします。今年2月には、国連の「児童の権利に関する条約」に基づいて設置される「児童の権利委員会」が日本の石炭火力政策の見直しを求める報告を発表し、石炭火力は環境問題にとどまらず人権を脅かすものと認識されています。

今、世界では、上記のような問題を抱える石炭火力発電に対してかつてないほど批判が強まっています。脱石炭火力発電のうねりは拡大を続ける一方であり、金融業界におけるダイベストメントの動きは特に顕著です。ご承知の通り、近年では世界の名だたる金融機関が次々と石炭火力への融資中止を決定し、日本でも同様の動きが起こりつつあります。

このような流れにもかかわらず、石炭火力発電の問題点を直視せずに同計画への融資を実行することは極めて遺憾です。昨年、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループが石炭火力発電への融資を制限する方針を発表した際、各社の方針が石炭火力からの完全な融資撤退を示すものではないことからその実効性への懸念が指摘されていましたが、今回の融資はそれが現実となったものです。十六銀行、南都銀行は同様の方針は掲げていないものの、石炭火力の問題を鑑みれば、融資すべき案件ではないことは明らかです。

また、2017年以降、国内においても同計画と同規模かそれ以上の大規模な石炭火力発電計画が8基中止に至っていますが、それらは事業性が見込めないことが理由とされています。今後、省エネの浸透と再生可能エネルギーの導入に伴う電力需要の低下、CO2をはじめとする環境対策コストの上昇によって石炭火力発電が座礁資産となる可能性は高まるばかりであり、今回の融資は貴行及び預金者や株主にとって大きなリスクとも言えるでしょう。

同計画に対しては地域の人々の反対が根強く、私たちは今後も反対運動を広く展開していく所存です。石炭火力をめぐる情勢を見極め、貴行が一日も早く融資を撤回されることを強く求めます。

敬具

賛同団体

横須賀火力発電所建設を考える会
袖ヶ浦市民が望む政策研究会
蘇我火力発電所計画を考える会
石炭火力を考える市原の会
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
国際環境NGO FoE Japan
地球環境市民会議(CASA)
京都・水と緑をまもる連絡会
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
特定非営利活動法人 気候ネットワーク

本文

(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画に対する融資撤回及び当会との面会を求める申し入れ(日本政策投資銀行宛)
(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機計画に対する融資撤回を求める申し入れ(民間5行宛)

連絡先

気候ネットワーク東京事務所
〒102-0082 東京都千代田区一番町9-7 一番町村上ビル6F
TEL 03-3263-9210  FAX 03-3263-9463 E-Mail: tokyo@kikonet.org