6月21日(土)、気候ネットワークは、鹿島パワーが計画している鹿島石炭火力発電所(茨城県鹿嶋市)2号機の新設に対して意見書(計画段階環境配慮書への意見)を提出しました。
意見書では、東京電力が福島県で計画している石炭火力発電所の新設に対する意見と同様に、石炭火力発電はCO2を大量に排出するため、気候変動の観点からかんがみれば新設には反対であるとしています。
またCO2対策について触れられていないことから、2013年4月26日に経済産業省・環境省が公表した「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」(以下、「取りまとめ」)をふまえた対策について説明する責任があると指摘しています。
意見書の主なポイントは以下の通りです。
1.石炭火力発電所の新設の問題について
- ?天然ガスの約2倍のCO2を排出する石炭火力の新設は、気候変動へ甚大な環境影響を及ぼす。よって、そのことを無視した本事業の実施には反対する。
- 今後新設される発電所は、少なくともLNG火力が達成している約350g/kwhというCO2排出原単位排出を実現できる水準を満たすべきである。
- 途上国の需要増加による価格上昇が予想され、さらに将来的なCO2対策強化にかかるコストを考えれば、石炭は経済優位性があるとは言いがたい。
2.CO2排出に関する取り扱いと「取りまとめ」との整合性について
- CO2の排出について対応を実施することは、事業者の社会的責任として不可避である。
- 事業者は、「取りまとめ」をふまえた対策について明確に説明する責任がある。
3.CO2排出による影響に関する具体的な情報について
- ?本配慮書ではCO2や発電効率に関連する詳細データが示されておらず、使用する技術がBAT(Best Available Technology:事業者が利用可能な最良の技術)に該当するか判断できない。
- 事業実施の是非にも関わる重要な情報であると考えられるため、事業者にはこれらの情報開示を求める。