現在、7月1日までの締切りで「小売電気事業の登録の申請等に関する省令案」に対するパブリックコメントが行なわれています。この省令は、来年から電力自由化で私たちが電力会社を自由に選んで電気を購入することができるようになるにあたって、その際に電気を販売する小売事業者に求められるルールを定めるものです。消費者にとっても、電気を選ぶ際の要素がこれによって決められるため非常に重要な省令です。
気候ネットワークからは、今回の省令案で再生可能エネルギーの表示がわかりにくくされてしまいかねない懸念や電源表示義務がないことなどが問題であることから、次の2点について意見を提出しました。
1.環境付加の低減に資することの説明禁止条項の削除
省令案第4条と第8条で、FITで交付金を受けている小売事業者や登録特定送配電事業者などが「再生可能エネルギー電気が環境への負荷の低減に資するものである旨を説明してはならない」と書かれているが、これは削除すべきである。FITですでに環境価値に対しての対価が支払われていることが理由だが、これはその説明を書くようにすればよいだけで、環境価値があることを説明してはならないと禁止するのはおかしい。
2.電源別の表示義務化
省令の中で、小売事業者が電源を表示することが義務づけられていないが、消費者にわかりやすいよう電源構成を含めた表示を義務づけるべきである。
消費者が環境価値や持続可能な電源を選べるように表示することは小売事業者の自主性に任せるべきではなく、全事業者への義務とすべきで、このことが日本の持続可能なエネルギーシステムを構築に資する重要な要素にもなる。
EUでは、電源ごとに表示することが義務づけられており、供給する電力の環境負荷(CO2排出量と放射性廃棄物排出量)についても表示しなければならないとされている。
パブリックコメントの募集ページ
● 「小売電気事業の登録の申請等に関する省令案」に対する意見の募集について