2025年11月10日から11月22日にかけて、「アマゾンの玄関口」と呼ばれる、ブラジル連邦共和国パラー州ベレン市で国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が開催され、気候ネットワークのメンバーもオブザーバー参加しました。
本ペーパーは、COP30ベレン会議を取り巻く情勢、交渉の内容や合意のポイントと評価、今後の気候交渉の見通し、COP30後の日本の課題についてとりまとめたものです。
目次

概要
1.はじめに:COP30 をとりまく国際情勢
2.COP30 交渉とその結果
(1)COP30 の概要
(2)主な交渉議題とその結果
(3)非国家アクターの動き
(4)市民社会・NGO の動き
3.今後の気候変動の国際交渉と日本の課題
(1)COP30 交渉における日本の動きと今後の課題
(2)今後の気候変動の国際交渉
概要
2025 年は京都議定書発効から20 年、パリ協定から10 年の節目を迎えたが、世界の温室効果ガス排出量の増加により1.5℃目標の達成が一層困難となり、今後10 年間で地球の平均気温上昇が1.5℃を超える可能性が高いと示唆された年でもあった。各国が提出した次期NDC の2035 年排出削減目標を合わせても、温室効果ガス排出量は2019 年比で12%の削減にとどまり、IPCC が示す60%削減との大きな乖離が明らかとなった。こうしたなかブラジル・ベレンで開催されたCOP30 は、パリ協定のもとで多国間協調を維持し、気候変動対策の「実施」の加速を促せるかが問われる会議であった。
1.5℃目標と国際協調
COP 合意文書で初めてオーバーシュートの可能性に言及するも、パリ協定のもとでの多国間主義の重要性を再確認し、1.5℃目標達成に向けた決意を示した。
公正な移行
公正な移行実施のための新しい枠組みの設立が決まるとともに、多様で包摂的な人権が基本原則に盛り込まれた。
化石燃料と緩和
化石燃料からの脱却や再生可能エネルギー拡大については具体的な合意に至らなかった。また、実施手段、とりわけ資金の確保が重要であることも浮き彫りになった。
交渉外の動き
有志国や企業、自治体、市民社会は積極的に活動。先住民の人々が交渉内外でその存在感を示した。公正な移行における画期的な合意は市民社会からの働きかけが後押しとなった。
今後に向けて
日本政府は交渉において多国間主義の重要性を訴えた。一方、公正な移行や適応資金等の議論では市民社会から厳しい目が向けられる場面もあった。また、次期NDC を期限内に提出した点は評価されるが、今後はIPCCが求める水準まで目標を強化していくとが求められる。これからのCOP 交渉は、公正な移行も含めた緩和・適応策の強化と十分な資金の動員を促し、「実施」を加速させる必要がある。
PDF版ダウンロード
COP30関連情報まとめページ
COP30/CMP20/CMA7 ベレン会議(2025年11月10日~11月22日)
お問い合わせ
本ペーパーについてのお問い合わせは以下よりお願いいたします。
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
(京都事務所)〒604-8124 京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305号(→アクセス)
(東京事務所)〒102-0093 東京都千代田区平河町2丁目12番2号藤森ビル6B(→アクセス)
075-254-1011 075-254-1012 (ともに京都事務所) https://kikonet.org

