2006年8月23日
市民が進める温暖化防止2001 市民アピール
気候ネットワーク 代表 浅岡 美恵
1997年12月の地球温暖化防止京都会議(COP3、気候変動枠組み条約第3回締約国会議)で「京都議定書」の合意を見て以降、4年にわたる難航した議論の末、その運用ルールが2001年10~11月のモロッコ・マラケシュで行われたCOP7(第7回締約国会議)で合意されました。
2002年の発効に向け、世界各国は批准のための国内手続きを進めており、日本政府もようやく批准に向けた作業を開始したと伝えられています。2001年4月の衆参両院の国会決議は議定書の早期批准を求めています。政府には速やかな批准とその裏付けになる国内政策の整備を求めます。
京都議定書には、先進国に平均5%、日本には6%削減を課しています。しかも、科学の要請で、その目標は今後大幅に強化されるのは必至です。中期的には化石燃料を大量に使う社会経済からの脱却が問われており、今からその準備に取りかかる必要があります。現在の大量生産・大量消費・大量廃棄・大量エネルギー消費の社会経済構造を温存したまま技術突破による小手先の解決を図るのではなく、その構造自体を温暖化防止型に転換していかなければなりません。
当面、排出量の把握公表制度を築き、省エネ規制の強化、税・課徴金・環境ラベルなど様々な政策をできるだけ早く導入すべきです。省エネを例にとっても、工場の設備投資や、省エネ型冷蔵庫、省エネ型自動車が日本中に広く行き渡るには時間がかかります。自然エネルギーも同様です。早期対策が必要なゆえんです。
以下に、私たちの考える様々な主体の分担を示しました。最終的に政策を強化してその削減目標の達成を担保するのは国だと考えています。・私たち市民は買い物においてエネルギー消費の少ない製品を買うなど、日常の生活での温暖化防止に務め、また国・自治体・企業の様々な意思決定に参加し、その実行を求めていきます。
- 企業には、省エネ投資やグリーン購入・グリーン搬送等により温暖化対策型経済活動へ転換して、削減量を積み上げ、環境負荷の少ない製品の供給を求めます。買い物の際に私たちはそうした企業の製品を選びたいと思いますし、私たちはそれが産業の活性化のステップでもあると確信しています。
- 自治体には、地域の特性や地場産業の特色を生かした効果的な政策と市民参加の仕組みづくりを求めますし、私たちもその立案や実行、結果のレビューに参加していく決意です。
- 国には、1990年の「地球温暖化防止行動計画」(2000年までに人口一人あたりCO2排出量を1990年レベルに安定化)の達成が絶望的になった教訓を活かし、6%削減を国内で確実に前倒し達成するため、できるだけ早期から削減効果の高い政策を実行することを求めるとともに、その効果を毎年チェックし予想より効果が上がっていない政策を強化・あるいは追加していくこと、政策立案やチェック&レビューシステムへの市民参加の実効性あるしくみづくりを求めます。
会議で温暖化の兆候が日本でも広範囲に見られることが報告され、私たちは衝撃を受けました。一方、京都をはじめ地域で様々な取り組みが始まっていることや、企業での先進的取組、自然エネルギーを進める様々な動きが報告されました。こうした活動が報われ、やがて社会の主流になる社会を目指し、私たちは今後も努力していきます。
2001年12月16日
市民が進める温暖化防止2001参加者一同
問合せ
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