2015年8月31日~9月4日まで、ドイツの都市ボンにて、国連の気候変動交渉会議(ADP2-10)が開催されました。このページでは、会議のポイント、交渉の様子などをまとめています。
ボン会議(ADP2-10)~パリ合意への道~
ボン会議(ADP2-10)に期待されること
2015年末にフランスの首都パリで開催されるCOP21において、2020年以降の新しい法的枠組み合意(Paris Agreement)や関連する決定(COP21 Decision)が採択される予定です。これに向けて、今回は、新しい枠組み合意や2020年までの排出削減強化をめざす、ダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回第10部(ADP2-10)が開催されています。パリで合意する内容について整理を進め、歩み寄り、パリ合意の実現への道筋をつけることが期待されます。
共同議長のテキストをもとに交渉が進む
ADP2-10では、今年7月にADP共同議長がとりまとめた、いわば合意の「下書き」のテキスト案をもとに交渉が進められています。
共同議長のテキスト案は、各国の意見を整理し、その内容の性質や交渉の経過を踏まえて3つのパートに分けたものです。第1に、2020年以降の新しい法的枠組みであるパリ合意(Paris Agreement)の下書き、第2に、パリ合意と関連する様々な取り決めや2020年までの排出削減強化について定めるCOP決定(COP Decision)の下書き、第3に、現時点ではパリ合意ともCOP決定とも判断のつかない、検討中の要素をまとめたテキスト案です。
ADP共同議長によるテキスト("Co-Chairs' Tool: A Non-Paper Illustrating Possible Elements of the Paris Package")
今回のボン会議(ADP2-10)の初日に、この共同議長のテキストをベースにして交渉を進めることに合意しました。現在は、排出削減、適応・損失と損害、資金、技術などといった各テーマごとに部会がおかれ、交渉が進められました。会議参加者の多くは、交渉が進展していることを強調しながらも、パリ会議まで残された時間は少なく、ペースが遅いことに懸念を表明していました。
今会合の議論を踏まえ、新しい共同議長テキストのとりまとめへ
今回の会議最終日には、今後の交渉の進め方について共同議長からアナウンスがありました。共同議長は、今回の議論を踏まえ、10月第1週までに新しいテキストをまとめるとしています。これをもとに10月19~23日に開催される次会合でさらなる作業を続け、11月末のパリ会議につなげることになります。引き続き、交渉の行方を注視する必要があります。
会議場通信Kiko
温暖化問題の国際交渉の状況を伝えるための会期内、会場からの通信です。
ADP2-10通信 No.1(2015/9/3)
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(随時更新中)