気候サミット開催に向けて
安倍首相と全ての国のリーダーたちは覚悟と決意を示せ
2014年9月22日
認定NPO法人 気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵
明日9月23日、潘基文国連事務総長の主宰で気候変動サミットが開催される。
気候サミットは、来年2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択が目指されている温室効果ガスの大幅な削減を含む国際合意に向け、各国首脳が政治的な意思を表明する場である。120カ国を超える首脳の参加が予定されており、各国首脳たちによる政治的コミットメントによって、人類が直面する気候変動問題の解決のために、気候変動交渉が加速し、着実な合意形成へつながることが求められている。
もはや気候変動問題は私たちにとって遠い将来の影響ではなく、すでに集中豪雨や干ばつ、夏の高温化などとともに現実の被害があらわれ始めている。温室効果ガスの大幅削減や適応に向けた取組みはこれ以上遅らせることはできない。サミット開催を前にした21日には史上最大とも言われる大規模なマーチが、ニューヨークを始め世界中で開催された。世界中の市民が行動を求めている。
この気候サミットでは、各国の首脳が覚悟を持って各国が野心的な目標を掲げ、積極的に取組みを進める決意を確かにすることが求められる。
日本においては、気候変動交渉に向けた中期の削減目標の議論すらはじまっておらず、削減目標や具体的行動を提示する準備ができないまま、気候サミットの開催となってしまった。今年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」では原発や石炭火力発電をベースロード電源と位置づけ、福島第一原発発電所の事故の反省もなく、また気候変動への取組みに全く意欲が見られない。このような日本の現状は、世界の気候変動への取り組みの潮流から大きく逸脱し、逆行さえしている。
サミット開催にあたり、日本から出席する安倍首相には、日本の気候変動対策への強い覚悟と決意を示し、これまでの開発重視路線から大きくシフトすることを求めたい。そして、気候サミット後には次の政策にとりかかるよう求める。
- ?中期目標の議論を速やかに開始し、国内政策の検討を開始すること。目標は2030年に少なくとも40~50%削減(1990年比)とすること
- 石炭火力発電の利用を速やかに見直し、国外への融資・支援を停止すること
- 気候変動対策としての原発を位置づけず、再生可能エネルギーや省エネを大幅に進める政策へと舵をきること
- 以上の議論を、民主的で透明性のある開かれたプロセスで実施すること
声明本文
気候サミットに向けて 安倍首相と全ての国のリーダーたちは覚悟と決意を示せ(2014年9月22日、PDF)
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