2001年5月19日

緊急プレスリリース
プロンク議長訪日に際して
「米国抜きでも、の批准の意思を日本は表明せよ!」

気候ネットワーク 代表 浅岡 美恵

20日にプロンクCOP6議長は日本を訪問し、 川口環境大臣との会談を行い、まず日欧間で京都議定書の運用ルールの合意を目指すとのことである。また、5/19付け日経新聞によると、「「失敗すれば(7月の)ボン会議を開催する理由はない」とし、対日交渉が不調に終わった場合は議定書発効を断念せざるを得ないとの見方も示した」とのことである。

米国ブッシュ政権は京都議定書からの離脱宣言に続き、化石エネルギー生産拡大の政策を発表したばかりか、京都議定書の"代替"案の表明が8月以降に延びる意向も示しており、当面、米国の京都議定書への参加の見通しは極めて乏しいと云わざるを得ない。しかるに日本は「環境十全性の観点からは、世界最大の温室効果ガス排出国である米国の参加が重要である」と強調し米国の変化を待つという姿勢に終始してきたが、今日に至ってもプロンク議長に対しこれまでの日本政府の説明に留まるならば、ボン再開会合への世界の期待を大きく減退させ、実りのない会合にさせるか、あるいはボン会合が流れることをも招来し、なしくずし的に議定書が消し去られることになりかねない。
 従って、ボンのCOP6再開会議を議定書発効のための意味ある会合とするために、プロンク氏との会談で川口大臣は回答の先延ばしをするのではなく、日欧間の交渉を開始し、米国抜きでも京都議定書の批准をする政治決断の用意があると伝えるべきである。

衆参両院は与野党一致して、早期に/率先しての京都議定書批准を求める決議が4月18,19日に行われ、すでに国権の最高機関の意思は示されている。
 小泉政権が、「たとえ米国抜きでも」の京都議定書批准の政治決断を今、下さなければ、政治主導の改革への国民の期待に背き、国内の温暖化対策にも悪影響を及ぼす。
 いまこそ小泉首相は、政治のリーダーシップを発揮して、温暖化対策推進本部を招集し、その場で、「たとえ米国抜きでも、議定書批准の意思がある」と日本政府として表明するとともに、温暖化対策推進大綱を見直しすることにより、建設的な協議を行うためにボン会合に向けた交渉方針を作りなおすべきである。

 

問合せ

特定非営利活動法人 気候ネットワーク
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