2014年11月12日
気候変動とクリーンエネルギー協力に関する米中共同声明を受けて
米国2025年26~28%削減、中国2030年頃ピークに削減へ
日本の削減目標議論の出遅れを取り戻せ
認定NPO法人 気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵
本日、米中首脳会談後の共同声明において、米国と中国が気候変動対策として温室効果ガスの排出削減目標案を発表した。米国はこれまで2020年までに温室効果ガスを17%削減する(2005年比)という中期目標を示していたが、今回は2025年までに2005年比で26~28%削減と、これまでより踏み込んだ目標を提示した。また、中国はCO2排出量を2030年頃のなるべく早い時期にピーク(頭打ち)にするとし、全てのエネルギーにおける非化石燃料の割合を2030年までに約2割に高める方針を示した。
危険な気候変動を防ぐために国際社会がめざしている「工業化前からの地球平均気温上昇を2度未満に抑制する」との目的のためには、今回の新目標は必ずしも十分ではない。しかし、米中の首脳が、温暖化対策への政治的意思を共に示した意味は非常に大きい。2015年末に予定されているCOP21パリ会議の成功に向けての交渉に前向きなメッセージを発したといえる。
先だって、EUが2030年40%削減(1990年比)の目標に合意した10月24日に、ようやく日本では2020年以降の温室効果ガス排出削減目標の議論がスタートした。奇遇にも今回の米中の発表は、日本の目標検討の、第2回目の会合と重なり、日本が目標議論の緒についたばかりで、極めて出遅れた状況にあることをあらためて浮き彫りにしている。
来年のCOP21でのパリ合意に向けて、日本もこの出遅れを取り戻し、2015年3月までの期限に野心的な削減目標を示すべきだ。
以上
プレスリリース(印刷用)
参考ページ
FACT SHEET: U.S.-China Joint Announcement on Climate Change and Clean Energy Cooperation(米国ホワイトハウスのウェブサイトへ)
気候ネットワーク プレスリリース「日本の約束草案の検討開始とEUの政策パッケージ決定に際して 日本は意欲的な削減目標案の早期決定を」(2014年10月24日発表)
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