第51回衆議院議員選挙が、2026年1月27日に公示され、2月8日に投開票となる。気候ネットワークでは、この選挙に合わせ、政党*の選挙公約(マニフェスト・政策)をもとに、各政党の地球温暖化対策に関連した政策を評価分析した。
昨年秋、政権は高市政権へと移行し、長年にわたり自由民主党と連立を組んできた公明党は連立政権から離脱した。その後、自由民主党は日本維新の会と新たに連立を組むこととなり、日本の政治構図は大きく変化した。
こうした中、通常国会冒頭という異例のタイミングで衆議院が解散され、総選挙が行われることとなった。選挙にあわせて、立憲民主党と公明党は合流し、新たに「中道改革連合」を結成し、マニフェストを発表している。
しかし、今回の選挙は政権交代や政党再編が短期間に相次いだ直後に行われることとなったため、いずれの政党にとっても、これまでのエネルギー政策や気候政策を抜本的に見直し、細部まで作り込む十分な時間的余裕があったとは言い難い。とりわけ、新たに設立された政党については、大きな方向性や理念が示されている一方で、具体的な制度設計や実行プロセスは今後の検討に委ねられている部分が少なくない。
今回の衆議院議員選挙では、各党の最新のマニフェストだけでなく、これまでどのような政策を掲げ、どのように変化してきたのかという長期的な視点から政策を評価し、投票先を選ぶことも重要である。過去の蓄積を踏まえることで、今回の選挙における各政党の立ち位置と、今後の気候・エネルギー政策の行方がより立体的に見えてくる。
そこで、気候ネットワークでは、今回のマニフェストを単独で評価するだけではなく、これまでの国政選挙における各政党のマニフェスト評価の蓄積を振り返り、長期的な傾向から今回の選挙を読み解くこととした。以下は、今回の各党マニフェスト評価と過去のマニフェスト評価の分析をまとめたものである。
※2026年1月27日時点で各政党の公式ウェブサイトに掲載されていた公約集・政策集を基に評価しました。
各党の政策に対する評価(総論)
各党の評価の結果、以下のとおり、連立与党である自由民主党と日本維新の会はともにー1点と非常に低い点数となった。
一方、野党では日本共産党とれいわ新選組が25点で満点となった。立憲民主党と公明党の衆議院議員が創設した中道改革連合は火力に関する方向性が明記されていないことなど記載に乏しいことから5点と低い点数となった。また、社会民主党は6点という結果だったが、こちらも記載なしの項目が多かったことによる。
また、野党の中で得点が低かったのが、国民民主党ー1点、参政党ー5点、日本保守党ー3点、チームみらいのー2点となった。
選挙を通じて気候変動政策に前向きな議員や政党の塊を増やすことが、今後の気候変動政策の進展に大きな影響を与えることになる。
注)この分析は、各党の気候変動対策・政策を評価するものであり、特定の政党・候補者を応援したり支持したりするものではありません。
各党の評価(2026年1月27日時点)
| 政党名 | 2030年/ 2035年の温室効果ガス削減目標 | 脱石炭火力発電の方向性 | 水素・アンモニア | 再エネの導入と目標 | 脱原発の実現 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自由民主党 | △ | × | × | △ | × | ー1 |
| 中道改革連合 | △ | ― | ― | △ | 〇 | 5 |
| 日本維新の会 | △ | × | × | △ | × | ー1 |
| 国民民主党 | △ | × | × | △ | × | ー1 |
| れいわ新撰組 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 25 |
| 日本共産党 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 25 |
| 減税日本・ゆうこく連合 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 参政党 | × | × | × | × | × | ー5 |
| 日本保守党 | ― | × | × | × | ― | ー3 |
| 社会民主党 | ― | ― | ― | △ | ◎ | 6 |
| チームみらい | △ | × | ― | × | × | ー2 |
記号の読み方
◎(5点) 具体的な記載があり、なおかつ意欲的な内容・目標となっている政策
〇(3点) 記載があり、現状からの向上はあるが、意欲的とは言いがたい政策
△(1点) 記載があるが、現状追認で、科学的知見や国際合意等で示された望ましい政策とは言いがたい政策
✖(-1点) 記載はあるが、科学的知見や国際合意等で示された望ましい政策に逆行する
―(0点) 記載がない
過去のマニフェスト比較データ分析
気候ネットワークでは、今回のマニフェストを単独で評価するだけではなく、これまでの国政選挙における各政党のマニフェスト評価の蓄積を振り返り、長期的な傾向から今回の選挙を読み解くこととした。ここでは、「国政選挙での政党マニフェスト評価」で示した第22回参議院議員選挙(2010年7月11日投開票)から第27回参議院議員選挙(2025年7月20日投開票)までの評価を全て洗い出し、今回の選挙の政党構造や過去の評価の傾向に合わせて4つの塊にして示すこととした。
具体的には、①自由民主党と維新の連立政権、②立憲民主党と公明党による中道改革連合、③気候エネルギー政策に高評価の政党、④気候エネルギー政策に低評価の政党、という4つの塊に分け、それぞれの方向性と特徴を整理した。
自由民主党と日本維新の会
自由民主党と日本維新の会について見ると、過去のマニフェスト評価からは、両党とも一貫して気候・エネルギー政策の評価が低位にとどまってきたことが明らかである。自由民主党は長期にわたり、化石燃料や原発を前提としたエネルギー政策を維持しており、評価はゼロ前後からマイナス圏で推移してきた。維新の会も、登場当初に一時的な上昇が見られたものの、規制緩和や成長重視の姿勢が強まるにつれ、気候政策の評価は低下している。
この二党による連立は、過去のデータから見る限り、気候・エネルギー政策を前進させる方向に作用するというよりも、従来の低位に固定された政策傾向を強化する可能性が高いと評価できる。
中道改革連合(立憲民主党・公明党)
立憲民主党は、結党以降、野党として一定水準以上の気候政策を掲げてきた政党であり、特に高い気候目標や脱原発・再生可能エネルギー拡大を明確にした選挙では比較的高い評価を得てきた。一方、公明党は、過去には高い評価を得ていた時期があったものの、自由民主党との長期連立の中で評価が大きく低下してきた経緯がある。しかし、データを振り返ると、公明党は与党制約が弱まる局面では、前向きな政策を打ち出す傾向が見られる。
こうした過去の傾向を踏まえると、中道改革連合は、両党が比較的高い評価を得ていた時期の政策要素が合流する可能性を持つ政党であり、今後の政策具体化の方向性が注目される。
日本共産党、れいわ新選組、社会民主党
気候・エネルギー政策において一貫して高い評価を得てきたのは、日本共産党である。再生可能エネルギーの主力化や脱炭素社会への移行を早期から掲げ、長期的に見ても政策の一貫性が高い。また、れいわ新選組も、結党以降、評価を着実に高めており、社会保障と結びつけた気候政策が特徴となっている。社会民主党は、過去には非常に高得点を得ており、立場は明確だが、マニフェストで気候変動対策に関する記載が少なくなっていたことから評価が低迷する傾向にあった。
国民民主党、参政党
国民民主党は、近年の評価が低下傾向にあり、気候・エネルギー政策を主要な争点として位置づけていないことが評価に反映されている。
参政党は一貫してマイナス評価に位置しており、他の低評価政党と比較しても、気候変動対策そのものを主要な政策課題として位置づけていない点が特徴である。さらに、脱炭素や再生可能エネルギー拡大といった方向性に対し、慎重あるいは否定的な姿勢を示しており、日本社会全体が直面している気候危機への対応という観点からは、明確に逆行している政策傾向が確認される。
以上の分析から、今回の衆議院議員選挙における各政党の気候・エネルギー政策は、短期的なマニフェストの文言だけでは捉えきれない、明確な構造的傾向を持っていることが読み取れる。過去のマニフェスト評価の蓄積を踏まえれば、日本の気候・エネルギー政策を原発・化石燃料依存構造から転換し、省エネルギーと再生可能エネルギーを軸とする方向へ導く意思と実績を持つ政党と、そうでない政党との間には、無視できない差が存在していることは否定できない。
論点1. 気候目標
パリ協定の1.5℃目標に向け、2050年までの早期のカーボンニュートラルをかかげ、2030年や2035年の削減目標を引き上げること
気候変動対策で最も重要なことは温室効果ガスの排出を可及的速やかに削減することであり、パリ協定で目標とする「産業革命以前に比べて1.5℃の上昇に抑える」ための削減目標と道筋を示すことである。この1.5℃目標達成には、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、世界全体で2035年までに60%以上の削減が必要だとしている(2019年比)。日本は歴史的排出量や一人当たりの排出量が多いことから、世界全体の目標以上に大幅な削減をする必要があり、2030年に少なくとも50%以上、2035年には75~80%程度の削減が必要である。昨年2月に国連に提出した日本の削減目標は2030年度46%削減、2035年度60%削減、2040年度73%削減(いずれも2013年度比)であった。この目標を現行よりも高く見直すかどうかが評価のポイントとなる。
- 削減目標を高く示した政党は日本共産党、れいわ新選組である。
- 現行の削減目標を示した政党は日本維新の会である。自由民主党は2025年7月の参院選で2030年の削減目標を示していたが、今回は記載がなく、後退した。
- 2030年、2035年の削減目標を示していない政党は自由民主党、中道改革連合、国民民主党、参政党、社会民主党、日本保守党である。
- 参政党は地球温暖化問題に未だ科学的な議論の余地があるとし、パリ協定の離脱により炭素目標を撤回するとした。
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 2030年や2035年の削減目標の記載なし ・パリ協定の1.5℃目標を達成するため、2050年までにカーボンニュートラル | △ |
| 中道改革連合 | 2030年や2035年の削減目標の記載なし ・早期のカーボンニュートラル | △ |
| 日本維新の会 | 「2030年度46%削減」の現行目標は記載しているが、2035年の記載なし ・2050 年カーボンニュートラル、2030 年度温室効果ガス 46%削減目標 | △ |
| 国民民主党 | 2030年や2035年の削減目標の記載なし ・2050年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進 | △ |
| れいわ新撰組 | 2030年までに70%削減、2050年までのできるだけ早い時期にネットゼロ | ◎ |
| 日本共産党 | 2030年までにCO2を50~60%削減、2035年度までに13年度比75~80%削減 ・2030年までにCO2を50~60%削減 ・2035年度までに13年度比75~80%削減(19年度比71~77%削減) | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 2030年・2035年目標だけではなくカーボンニュートラルの記載なし | ― |
| 参政党 | 炭素目標の撤回/科学の否定 ・脱・脱炭素政策 ・パリ協定の離脱により炭素目標を撤回 ・未だ科学的な議論の余地がある地球温暖化問題や、カーボンニュートラルの必要性の是非を判断するための、偏りのないエビデンスに基づく科学的な検証を実施する。 | × |
| 日本保守党 | 2030年・2035年目標だけではなくカーボンニュートラルの記載なし | ― |
| 社会民主党 | 2030年・2035年目標だけではなくカーボンニュートラルの記載なし | ― |
| チームみらい | 2030年や2035年の削減目標の記載なし ・2050 年ゼロエミッション社会 | △ |
脱石炭と火力政策
2030年代前半までに国内の石炭火力発電所を全廃すること
1.5℃目標を達成するには、世界全体で石炭火力を段階的に廃止し、先進国は2030年までに全廃する必要があることを踏まえ、石炭火力の今後の扱いについて評価した。また、先進諸国の大半はすでに2030年までの脱石炭を表明しLNG火力の削減に進んでおり、もはや石炭火力のみを論点にすることは時代遅れですらある。日本も今後はLNG火力の削減や2035年までに電力部門の脱炭素化をいかに達成するかを課題とすべきである。今、政治に求められるのは、化石燃料からの脱却という方針をかかげ、再エネ転換を重点化することであると改めて書き添えておきたい。
- 2030年までの石炭火力の段階的廃止を示したのは、日本共産党とれいわ新選組である。
- 脱石炭の記載はなく、石炭火力へのアンモニア混焼、CCUSを推進する現行の政策を維持する方針を示したのは、自由民主党、日本維新の会、国民民主党である。また、同様に再エネより次世代火力発電を推進するとしたのは参政党である。参政党は次世代火力発電を「CO2排出実質ゼロ」などと表現しており科学的根拠にも乏しい。
- 優れた火力発電技術の有効活用を掲げたのは日本保守党である。
- 中道改革連合と社会民主党は具体的な記載が何もなかった。
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・火力発電は、温室効果ガスを排出するという課題もある一方、再生可能エネルギーの変動性を補う調整力、供給力等として重要な役割を担っています。安定供給に必要な発電容量を確保しつつ、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めていくとともに、水素・アンモニアやCCUS等を活用した火力の脱炭素化を推進します。 | × |
| 中道改革連合 | 脱石炭の目標なし | ― |
| 日本維新の会 | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・CC(U)S や石炭ガス火力発電など、環境負荷が低くエネルギー安全保障に有効な火力発電の技術開発も推進します。 | × |
| 国民民主党 | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・安定供給の要である火力発電の高効率化、低炭素化、炭素回収・貯留(CCS)を促進する | × |
| れいわ新撰組 | 2030年までに脱石炭 ・脱原発・脱炭素までは既存の火力発電所を活用し、段階的に廃止する ・石炭火力発電所の新設を禁止し、2030年までに石炭・石油火力発電所の運転を終了 ・国内の金融機関や投資機関が、外国の石炭火力発電所建設に融資・投資することを禁止 | ◎ |
| 日本共産党 | 2030年度までに脱石炭 ・石炭火力からの計画的撤退をすすめ、30年度にゼロにします ・石炭火力発電の延命と、原発推進に巨額の国費を投入するGXには反対です ・再エネ小売業者の負担で、原発や石炭火力を支援する「容量市場」の廃止を | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 脱石炭の目標なし | ― |
| 参政党 | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・再エネより「CO2 排出実質ゼロ」の次世代火力発電を推進! | × |
| 日本保守党 | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・わが国の持つ優れた火力発電技術の有効活用。 | × |
| 社会民主党 | 脱石炭の目標なし | ― |
| チームみらい | 脱石炭の目標なし/火力維持推進 ・大容量電源の確保とゼロエミッション社会の実現を両立させる技術開発・設備投資を加速 ・火力発電の一時的維持を明確化 | × |
水素・アンモニア
水素・アンモニア混焼による火力延命策を認めないこと
政府は、グリーントランスフォーメーション(GX)の中で水素・アンモニア、CCS/CCUSを脱炭素の柱と位置づけている。具体的には、石炭火力へのアンモニア混焼を推進し、火力発電を2050年以降も使い続け、排出されるCO₂を回収して貯留するCCSで対応する方針があげられる。これらの技術は非常に高コストであることが明らかにされており、現在の政策では、これらに対して価格差支援制度や拠点整備支援、長期脱炭素電源オークションなど様々な支援策が構築されている。発電部門には、再エネというCO₂を排出しない技術があるため、再エネへの転換こそ優先されるべきであり、アンモニア混焼やCCSなどを利用して火力を延命すべきではない。
- GXなどによる火力への水素・アンモニア混焼に批判的な立場をとるのが、日本共産党とれいわ新選組である。
- 自由民主党、日本維新の会、国民民主党は、現行の政策同様、水素・アンモニアやCCSを積極的に推進する方向を示した。また参政党も、次世代火力や次世代原子力など民間投資だけで賄えない分野は国として積極的に投資するとしている。
- 日本保守党は、具体的な記載はないものの、火力発電技術の活用を必要とし、水素・アンモニア混焼やCCUSの推進に含みを持たせた表現となっている。
- 中道改革連合と社会民主党、チームみらいは記載がなかった。
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 火力の水素・アンモニア混焼・CCUSの推進 ・水素・アンモニアやCCUS等を活用した火力の脱炭素化を推進 | × |
| 中道改革連合 | 水素・アンモニアについて記載なし | ― |
| 日本維新の会 | 火力の水素・アンモニア混焼・CCUSの推進 ・水素等は、脱化石エネルギーの観点から将来の有力なエネルギー源として期待されることから、その活用や研究開発に積極的に取り組みます。また、CC(U)S や石炭ガス火力発電など、環境負荷が低くエネルギー安全保障に有効な火力発電の技術開発も推進します。 | × |
| 国民民主党 | 火力の水素・アンモニア混焼・CCUSの推進 ・安定供給の要である火力発電の高効率化、低炭素化、炭素回収・貯留(CCS)を促進する | × |
| れいわ新撰組 | 現行政策の見直し ・国の水素基本戦略を抜本的に見直し、脱炭素化の代替手段がない分野での活用をすすめる。再生可能エネルギーを利用した国産のグリーン水素・グリーンアンモニアの供給を拡大する | ◎ |
| 日本共産党 | 現行政策の見直し ・既設石炭火発での水素・アンモニア混焼やCCS追設など火力発電も対象とする長期脱炭素電源オークションに反対 ・石炭火力発電の延命と、原発推進に巨額の国費を投入するGXには反対 | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 水素・アンモニアについて記載なし | ― |
| 参政党 | 火力の水素・アンモニア混焼・CCUSの推進 ・再エネより「CO2 排出実質ゼロ」の次世代火力発電を推進! ・新たな火力・水素など、民間投資だけでは賄えない分野には特に積極的に国として投資 ・バイオマスや水素など地域型発電技術の実用化で「地産地消」の地域循環システムを構築。 | × |
| 日本保守党 | 水素・アンモニアについて記載なし/ただし、火力発電技術に「火力の水素・アンモニア混焼・CCUSの推進」が含まれるものと評価 ・わが国の持つ優れた火力発電技術の有効活用。 | × |
| 社会民主党 | 水素・アンモニアについて記載なし | ― |
| チームみらい | 水素・アンモニアについて記載なし | ― |
再生可能エネルギー
2035年の電力部門の脱炭素化と再生可能エネルギー100%を目指すこと
「第7次エネルギー基本計画」では再生可能エネルギーを2040年度までに電源構成比で4~5割程度とするとした。これは第6次エネ基の2030年度再エネ36~38%からほとんど進展がなく、1.5℃目標を達成できる目標とは言えない。2030年、2040年の政府目標を大きく上回る目標と将来的に再エネ100%を目指していく姿勢が求められる。
- 日本共産党は、2035年度の再エネ電力比率を8割とし、40年度までに100%とした。
- れいわ新選組は、2030年までにエネルギー供給の70%、2050年までに100%を目指すとした。
- 中道改革連合は、再生可能エネルギーの最大限活用を掲げたが具体的な数値は示さなかった。
- 国民民主党は、2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上と、現行とほぼ同じ目標を示した。
- 自由民主党は昨年の参院選では再エネの最大限導入を掲げていたが、今回はその記述が無くなった。
- 日本維新の会は、再エネ導入拡大を掲げたが、具体的な数値目標は示さなかった。
- 参政党、日本保守党、チームみらいは再エネの最大限導入も掲げず、具体的な数値目標も示していない。
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの主力電源化を徹底 | △ |
| 中道改革連合 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの最大限活用 ・再生可能エネルギーの導入を最大限加速させ、持続可能な社会を次世代へ引き継ぎます。 | △ |
| 日本維新の会 | 再エネ100%目標の記載なし ・地熱等わが国に優位性のある再生可能エネルギーの導入を拡大 ・再エネ大量導入を目的とした送配電網整備を加速 | △ |
| 国民民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を廃止 S+S+3Eを大前提に、共生・自立・分散型のエネルギーネットワークを構築 ・2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上となるよう自治体等の関係者の合意を得つつ着実な取り組みを進めます | △ |
| れいわ新撰組 | 2030年までにエネルギー供給の70%、2050年までのできるだけ早い時期に100% ・エネルギー消費量を6割削減し、2050年までに自然エネルギー100%、温室効果ガス排出ゼロを目指します。 ・2030年までにエネルギー供給の70%を、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す。そして2050年までのできるだけ早い時期に再生可能エネルギー100%を達成する | ◎ |
| 日本共産党 | 2035年度の電力比率で再エネ8割、40年度までに100% ・大胆な再エネ導入で、2035年度の電力比率を8割とし、40年度までに100%をめざします。 ・再エネの優先利用の原則を確立 | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 再エネ100%目標の記載なし | ― |
| 参政党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再エネより「CO2 排出実質ゼロ」の次世代火力発電を推進! ・脱・脱炭素政策で、電気料金高騰・環境破壊・資本流出を助長する再エネ推進を止める ・高コストの再生エネルギーを縮小し、FIT制度、再エネ賦課金を廃止する | × |
| 日本保守党 | 過度な再エネ依存の見直し ・再エネ賦課金の廃止。 ・再生可能エネルギー(太陽光・風力発電)は、日本の山や海の環境を破壊し、電力供給を不安定にし、電気代を高くするもの。百害あって一利なし。 | × |
| 社会民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの普及で脱原発をすすめる | △ |
| チームみらい | 再エネ100%目標の記載なし ・平野部も限られていることから再生可能エネルギーの大規模導入にも地理的な制約があります。 そのため、国内に存在するあらゆるエネルギー資源を最大限に活用しつつ、大容量電源の確保とゼロエミッション社会の実現を両立させる技術開発・設備投資を加速させる必要があります。 ・火力発電の一時的維持を明確化し、無理な再エネ拡大による国民負担増と供給不足を回避 | × |
原子力
脱原発を掲げ、小型原子炉など含めた原発新増設を認めないこと
第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンでは、「原子力依存の低減」の文言は削除され、原子力を「最大限活用」する方針が示された。しかし、原子力を推進することは結果的に原発のトラブル時などで火力に頼らざるをえない状況をつくる。原発の新増設にあたっては、時間がかかりすぎ、求められる気候変動対策にはならない。同時に、多額の資金が必要なことから経済的にも国民負担を増加させる。
- 脱原発を掲げたのは、日本共産党(すみやかに原発ゼロ)、れいわ新選組(即時廃止)、社会民主党(再生可能エネルギーの普及で脱原発をすすめる)だった。
- 中道改革連合は、将来的に原発に依存しない社会を目指すとしたが、原発再稼働は条件付きで認めた。
- 自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党、チームみらいは、原発の再稼働を条件付きで認めるだけでなく、次世代型原子炉の開発も推進するとした。
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 脱原発の記載なし/再稼働推進・次世代革新炉開発 ・立地自治体等関係者の理解と協力のもと再稼働を進めます。新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・設置に取り組みます。 | × |
| 中道改革連合 | 脱原発の記載なし/原発に依存しない社会を目指す ・将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働 | ― |
| 日本維新の会 | 脱原発の記載なし/再稼働推進・次世代革新炉開発 ・新規制基準の許可を得た原子力発電所の早期再稼働を進めます。 ・米国と共同研究している小型原子炉(SMR)や、有毒性を低減する高速炉など、安全性の高い次世代型原子炉の実用化に向けて研究開発に取り組みます。 | × |
| 国民民主党 | 脱原発の記載なし/原子力発電を最大限活用・次世代革新炉開発 ・原子力発電を最大限活用 ・安全基準を満たした原子力発電所の早期再稼働 ・次世代軽水炉や小型モジュール炉(SMR)、高速炉、高温ガス炉、核融合炉、浮体式原子力発電等次世代革新炉の開発・建設(リプレース・新増設を含む)の推進。 | × |
| れいわ新撰組 | 脱原発/原子力発電所の即時廃止 ・原子力発電所は即時、廃止。国が事業者から買い上げ、最先端の技術を用いて慎重に廃炉をすすめる。 ・原発は廃止し、グリーン産業に10年間で少なくとも200兆円(毎年国費5兆円、民間資金15兆円)の投資を行い、持続可能な産業への転換を加速させる | ◎ |
| 日本共産党 | 脱原発/すみやかに原発ゼロ ・原発の再稼働、新増設に反対し、原発ゼロの日本をめざします。 ・原発を再稼働させず、新増設も輸出も認めない ・原発・核燃料サイクルからただちに撤退する ・再生可能エネルギーへ抜本的に転換し、原発立地地域も再エネ関連産業で再生をはかる | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 脱原発の記載なし | ― |
| 参政党 | 脱原発の記載なし/原子力推進 ・次世代原子力・核融合・新たな火力・水力・バイオマス・水素・地熱など、民間投資だけでは賄えない分野には特に積極的に国として投資し、日本発の新技術を育成し実用化することで、エネルギー自給率の向上とエネルギー価格の低減および、世界での新たな分野での主導権確立を推進する。 ・次世代型小型原発や核融合など新たな原子力活用技術の研究開発を推進。 | × |
| 日本保守党 | 脱原発の記載なし | × |
| 社会民主党 | 脱石炭の目標脱原発 ・40年超の老朽原発の再稼働などあり得ません | ― |
| チームみらい | 脱原発の記載なし/原子力推進 ・2030年での原子力比率 20〜22 %の達成を目指し、国主導で再稼働支援策を整備。 ・2030 年時点で 25 基以上の運転を実現 ・次世代型原子力(SMR、高温ガス炉など)の技術開発と普及を2030年代後半以降に見据えて支援 | × |
参考とした各党の公約および政策集
〇自由民主党
令和8年政策パンフレット
https://storage.jimin.jp/pdf/news/policy/212294_1.pdf
自民党政策BANK
https://storage.jimin.jp/pdf/news/policy/212294_2.pdf
〇中道改革連合
基本政策
https://craj.jp/party/policies/
2026主要政策
https://craj.jp/election2026/policies/
〇日本維新の会
第51回衆議院議員選挙 コア・マニフェスト
https://o-ishin.jp/coalition2025/img/index/core_manifesto_2026.pdf
維新八策2026 個別政策集
https://o-ishin.jp/coalition2025/img/index/ishin8saku2026.pdf
〇国民民主党
2026政策パンフレット
https://election2026.new-kokumin.jp/file/DPFP-PolicyCollection2026.pdf
〇れいわ新撰組
れいわ新選組2026
https://shu51.reiwa-shinsengumi.com/archives/manifest/manifesttheme-02
基本政策
https://reiwa-shinsengumi.com/policy/
〇日本共産党
2026総選挙政策アピール「暮らし・平和・人権 国民のためにブレずにはたらきます」
https://www.jcp.or.jp/web_policy/16323.html#top
各分野の政策
40、原発問題
https://www.jcp.or.jp/web_policy/15976.html
41、エネルギー
https://www.jcp.or.jp/web_policy/15979.html
45、気候危機
https://www.jcp.or.jp/web_policy/15977.html
〇減税日本・ゆうこく連合
公約集・政策集が公表されておらず分析不能
〇参政党
3つの重点政策
https://sanseito.jp/political_measures/
第51回衆議院選挙 3つの柱と9の政策
https://sanseito.jp/51th_hor_election_policy/#policy05
参政党の政策
https://sanseito.jp/political_measures_2025/specific_policies/#policy05
〇日本保守党
日本保守党の重点政策項目
https://hoshuto.jp/policy/
〇社会民主党
2026衆院選公約
https://sdp.or.jp/51-repre-elec/
〇チームみらい
2026年衆議院選挙
https://team-mir.ai/election/shugiin-2026
政策マニフェスト2026
https://policy.team-mir.ai/policies
参考
気候ネットワークは国政選挙の際に、政党が発表したマニフェストの中で気候変動やエネルギー政策に関連する記述をピックアップして評価分析し、どの党が気候変動政策に前向きかをわかりやすくまとめ、有権者が選挙の際に参考にできるよう発信しています。


