1月23日(金)、気候ネットワークは、神戸製鋼所が計画している神戸製鉄所火力発電所(仮称)設置計画(兵庫県神戸市)に対して意見書(計画段階環境配慮書への意見)を提出しました。
意見書では、気候変動対策の観点から、石炭火力発電所の建設は容認できないとしています。さらに、「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」において求められている環境保全措置について触れられていないことを指摘しています。
意見書の主なポイントは以下の通りです。
1.石炭火力発電の問題について
- ?天然ガスの約2倍のCO2を排出する石炭火力の新設は、気候変動へ甚大な環境影響を及ぼす。よって、そのことを無視した本事業の実施には反対する。
- 今後建設される発電所は、少なくともLNG火力が達成している約350g/kwhというCO2排出原単位を実現できる水準を満たすべきであり、いかに高効率でも石炭火力発電の建設は容認できない。
2.CO2排出に関する取り扱いと「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」との整合性について
- ?CO2の排出について対応を実施することは、事業者の社会的責任として不可避である。
- 「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」をふまえた対策について触れられていない。
3.CO2排出による環境影響に関する具体的な情報について
- ?本配慮書ではCO2や発電効率に関連する詳細データが示されておらず、使用する技術がBAT(Best Available Technology:事業者が利用可能な最良の技術)に該当するか判断できない。
- 事業実施の是非にも関わる重要な情報であると考えられるため、事業者にはこれらの情報開示を求める。
4.大気への影響について
- ?現状では、微小粒子状物質(PM2.5)及び光化学オキシダントは、多くの局で環境基準を満たしていない。石炭火力発電所の新設による大気環境への悪影響が懸念されることから、本事業による影響に関する説明を求める。