国連気候変動ボン会議(ADP2-6)
会議の概要
2014年10月20日(月)から10月25日(土)にかけて、ドイツのボンにて、国連気候変動枠組条約締約国会議の特別作業部会「行動強化のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回会合第6部(ADP2-6)」が開催されました。
このボン会議は、2014年末にペルーのリマで開催される予定のCOP20/CMP10に向けて、また、来年2015年末にフランスのパリで開催されるCOP21/CMP11での新しい法的枠組みの合意に向けて、交渉を加速させるために追加的に開催された会議です。
会議では、前回の6月の会議を引き続き、新しい法的枠組みに関する「2015年合意」(ワークストリーム1)と、2020年までの排出削減努力の強化(ワークストリーム2)について交渉が行われました。またワークストリーム2に関しては、「技術専門家会合(Technical Expert Meetings:TEMs)」が、二酸化炭素回収利用貯留(CCUS)とCO2以外のガスの2つのテーマで開催されました。
会議に期待されていたこと
今回の会議では、(1)2015年合意の要素を検討すること、(2)各国に2015年3月までに提出が求められている国別目標案(INDCs)に関して提出する情報について合意すること、(3)2020年までの排出削減努力を加速させることの3つのポイントがあり、特に(2)(3)に関しては決定文書案に合意することが期待されていました。
交渉のようす~十分な進展は見られず~
交渉期間中は、1つのコンタクト・グループ[1]で上記の3つの全てを通しで議論し、各国が自国の立場を踏まえた意見を述べ合い、時には双方向に質問したり、回答したりというやり取りが行われました。相互の立場の共通点や相違点を確認し合うという意味では、建設的で合意を探るのに有益な面もありました。また、大きく対立する論点について、新たな折衷案の提案などもありました。しかし、それぞれの立場に固執するグループも多く、リマ会議での決定文書案にここで合意したいという共同議長の期待には答えられず、十分な進展は見られませんでした。議論は、リマでCOPと同時開催されるADP2-7に持ち越され、継続されることになります。
今後の交渉の見通し~追加会合の開催決定も~
また今回、パリ合意を目指す年となる2015年の会議の開催日程について、6月の補助機関会合、12月のパリ会議(COP21/CMP20)に加えて、2回の会議を追加開催することが決定しました。2015年の最初の会議は、リマ会議(COP20/CMP20)終了からわずか2ヶ月先の2月8~13日に、スイスのジュネーブで開催されることが決定しました。
[1] 合意文書案について議論する自由な形式の交渉グループ。
会議場通信Kiko
温暖化問題の国際交渉の状況を伝えるための会期内、会場からの通信です。