家庭用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)メーカーに対する
R32給湯器についての調査アンケート結果と総括について
気候ネットワーク
気候ネットワークは、CO2ヒートポンプ給湯器(エコキュート)のメーカー30社に対して、「家庭用ヒートポンプ給湯器に関する調査アンケート」を実施した。
今回の調査アンケートは、家庭用ヒートポンプ給湯器において、CO2(GWP=1)を冷媒とするエコキュートメーカーに対して行なったもので、フロンHFC32(GWP=677)を冷媒とするヒートポンプ給湯器(R32給湯器)を今後開発販売する予定があるかどうかなど、今後の動向を調査するために実施した。
この度、アンケートの集計とともにその回答評価をまとめ、発表することとした。
アンケートまとめと概要
21社中14社は今後もR32給湯器は販売しないと断言。
「時代に逆行」の意見も。
- 今回のアンケートに回答のあった21社のうち、14社*はR32給湯器の開発も今後の販売の予定もないとした。一方、現時点で開発しているメーカーは2社で、今後開発・販売する可能性のあるメーカーは7社となった。とりわけ、東芝キャリアは開発の可能性があると回答したほか、パナソニックや三菱電機は回答を避けた。
(*「現時点ではない」とした三菱電機は含まず)
- 「R32は明らかに時代と社会的要請に逆行している」とのコメントもあった。
一部大手メーカーが方針明言せず、R32給湯器が販売拡大の懸念も
今後の行方はダイキン工業の判断次第か。
- 今後のR32給湯器の動向は、フロンメーカーとしてR32冷媒の製造し、R32給湯器も開発したダイキン工業の判断に委ねられるところが大きい。
- 今回のアンケートから、もしダイキン工業が販売に踏み切れば、大手メーカーがそれに続くことも示唆され、国内で増える可能性がある。
- この間、「改正フロン法」で審議されていた指定製品の対象に「ヒートポンプ給湯器」は含まれず、国が拡大を未然に防ぐ措置をとっていない。
プレスリリース本文
エコキュートメーカーに対するR32給湯器についての調査アンケート結果と総括について(PDF 238KB)
調査アンケートの背景
- 2014年1月28~31日に開催された「HVAC&R Japan 2014冷凍・空調・暖房展」において、ダイキン工業とコロナが家庭用ヒートポンプ給湯器のR32冷媒用のモデルを展示。
- 2014年4月22日、気候ネットワーク、主婦連合会、ストップ・フロン全国連絡会、日本環境法律家連盟、WWFジャパンの5団体は、共同声明を発表。自然冷媒からフロンHFC32に逆行する業界への反対声明。
【共同声明】家庭用ヒートポンプ給湯器は自然冷媒が主流 自然冷媒からフロン(HFC32)への逆行にブレーキを(2014/4/22) - 2014年5月20日、気候ネットワークは、4月22日のペーパーへの補足として「ヒートポンプ給湯器の冷媒にフロン(HFC32)を使ってはならない理由」を発表。
【補足ペーパー】なぜヒートポンプ給湯器の冷媒にフロン(HFC32)を使ってはならないか - 2014年5月22日、気候ネットワーク事務局にてダイキン工業の3名の方とヒートポンプ給湯器の冷媒に関しての意見交換の場を持つ。
【ブログ/活動報告】ダイキン工業との意見交換~R32給湯器について~
上記のような経緯をふまえ、R32冷媒のヒートポンプ給湯器に対して、他のメーカーの方針を確認するために、アンケート調査を行うこととなった。
問合せ先
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