プレスリリース:
みずほFGへの株主提案の議決結果について (第1次集計)
野村・農林中金・ニッセイなどが気候ネットワーク提案を支持
2020年9月24日
気候ネットワーク
気候ネットワークは2020年3月、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)に対し、パリ協定の目標に沿った投資を行うための経営戦略を記載した計画を開示するように求めた、日本で初めてとなる気候変動関連の株主提案を行いました。その結果、6月25日の株主総会で提案は否決されましたが、議決権を有する株主の34.5%の支持を得ました。
本提案に対しては、議決権行使助言会社大手のグラスルイス(Glass Lewis)とインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が賛成を推奨したことに加え、株主総会開催前に、複数の海外の投資家が本提案への支持を表明し、国内でもパリ協定と整合させた事業経営を行う必要性やESG投資の強化の必要性が改めて認識されることとなりました。
みずほFGの機関投資家の議決結果を公開情報から調査した結果、本日までに結果が把握できた59機関・団体のうち、43機関・団体(系列会社による議決権更新の結果を含む)が本提案に賛成、15機関・団体が反対、1機関・団体は分裂(賛否あり)であることがわかりました。多くの海外投資家が賛成したことにあわせ、野村アセットマネジメント、農林中金全共連アセットマネジメント、ニッセイアセットマネジメント、アセットマネジメントOne日本の4機関・団体が本提案を賛成していることが明らかになりました。一方、三井住友トラスト・アセットマネジメントや日興アセットマネジメント、大和証券などは反対しており、日本の株主の間でも判断が分かれました。
議決で反対を表明した15機関・団体の中には、気候変動問題の重要性を認識し賛意を示しながらも、「定款の一部変更」という方法であるために反対をしたところもありました。
以上を踏まえると、今回の提案に対しては、日本の機関投資家の中でも少なからぬ支持があったことが確認され、国内においてもパリ協定に整合したESG投資の流れが強固になっていることを指し示していると言えます。
一方、脱炭素へ舵を切る方針を明確にしているブラック・ロックが反対であったことは極めて残念です。また、本提案が、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に従ってパリ協定の目標に整合した投融資を行うための計画の開示を求めたものであったのに対し、みずほFGが今年4月に「サステナビリティへの取り組み強化について」と、5月に「TCFDレポート2020」を相次いで発表したことを評価し、提案に反対した機関・団体もありました。確かにみずほFGは、石炭火力の与信削減や情報開示などを進め、取り組みを進展させていますが、コーポレートファイナンスにおけるポートフォリオは不透明なままであり、パリ協定に整合する金融ビジネスを行っているとはなお言えません。
気候ネットワークでは、今回の第1次集計を踏まえ、みずほFGに対して引き続き投融資方針の強化を求めていくと同時に、本提案の趣旨に理解を示す機関投資家および金融機関の関係者との対話を進めていく予定です。
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本件の連絡先
気候ネットワーク www.kikonet.org
東京事務所:TEL:+81-3-3263-9210
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