2009年9月7日

鳩山代表、「中期目標25%削減」の発表を歓迎

気候ネットワーク代表 浅岡 美恵

本日、新聞社主催のフォーラムで、16日にも新首相に任命される鳩山由紀夫・民主党代表がオープニングスピーチを行い、地球温暖化防止のための日本の中期目標として2020年までに1990年比25%削減を目指すことを発表し、この内容を今月22日にニューヨークで開催される国連気候変動サミットにおいても発表することも明言した。

6月に麻生首相が発表した、「1990年比8%削減」という現在の中期目標は、京都議定書の目標を2ポイント上乗せしただけのものであった。科学的な観点からも不十分なこの消極的な目標には、世界のNGOらからも猛烈に批判をされていた。

本日の鳩山代表の発表は、政権交代後に、民主党がマニフェストに掲げる公約を最初に実行に移すために、大きなステップを踏み出したものと言え、また地球温暖化問題に関して、現政権よりも前向きに取り組む意図を示したもので、大いに歓迎したい。 また、途上国支援に関する「鳩山イニシアティブ」の検討への前向きな姿勢も評価したい。

世界と足並みをそろえて低炭素経済を推し進めるためには、政治のリーダーシップが不可避である。今こそそれを発揮し、連立政権合意を経て、新目標を軸に、国内の排出削減を着実に進める政策を推し進めていくことを求めたい。

私たちNGOは、MAKE the RULEキャンペーンを通じ、2020年30%削減、2050年80%削減(90年比)の中長期目標を掲げた、気候保護法(仮称)の制定を求めている。 さらに、国内の削減を進める基軸となる政策として、炭素に価格をつける仕組み、すなわちキャップ&トレード型の排出量取引制度、炭素税の導入を提案し、再生可能エネルギー普及のために全量買取方式の固定価格買取制度の導入を求めている。 鳩山新政権が、これらの私たち市民・NGOの声を拾い上げ、大胆な温暖化対策の推進へ舵を切っていくことを期待したい。

また鳩山代表は、スピーチの中で、「炭素に依存しない社会の構築は、日本にとって大きなチャンス」と述べている。これまでのように国民負担ばかりを強調した消極姿勢から脱却し、むしろ温暖化対策を取ることのメリットの方が大きいことを国民で共有しつつ、対策を推進していくよう、私たちも後押ししていきたい。

以上

発表資料

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