2010年8月19日
「『ヒートポンプの性能表示に関する公開質問状』エアコンメーカーの回答とその分析と評価」を発表
気候ネットワーク
環境NGOや消費者団体など8団体が共同で実施したエアコンメーカー8社の社長に対 する「ヒートポンプの性能表示に関する公開質問状」について、本日、その回答を分 析・評価し、プレスリリースを行った。
○エアコンの効率表示で、表示性能を上げるためだけの機器の工作があったか どうかについて、シャープはなかったと回答。また三菱重工業、三洋電機、パナソニックは「JIS規格に基づいた性能評価、表示」であったと回答し、工作の有無を明らかにしなかった。しかし本件は、質問状送付後に日本冷凍空調工業会が事実を認めており、各社の回答との齟齬があり、明確な回答が求められる。各社の回答は不十分かつ不誠実である。
○一方、東芝、三菱電機、日立は工作をほぼ認める回答をした。しかし、いず れも質問内容に十分に応えるものではなく、詳細な製品情報や期間、実使用時との乖 離の程度などは明らかにされなかった。
○エコキュート等を含むヒートポンプの性能表示については、JIS規定による 性能が実使用と乖離していることが指摘されるが、この対処方針についても各社の回 答はJIS規定に従うことを前提とするもので、実使用時の性能に合わせる必要性を明 記したところはなかった。
○フロン問題について、エアコンに使用している冷媒が強力な温室効果ガスで あることをカタログに明記しているというメーカーはなかった。
以上、メーカーは使用実態に即した性能やフロン使用による地球温暖化影響など、 消費者に対して正しい製品情報を提供しているとは言いがたく、業界が作成にも携わ る「JIS規定」を盾にとり、消費者を欺くような工作すら行ってきた業界全体の体質 が浮き彫りになった。?
この公開質問状では、各社の対応に温度差はあれ、いずれも誠意ある回答がなかっ たために、過去あるいは現在の表示によってどの程度の実態との差があったのか把握 することができなかった。今後、本質的に状況を改善するためにも、政府をあげての 調査と情報公開が求められる。
報告の詳細については、PDFファイルをご参照下さい。
以上
発表資料
メーカーからの回答(順不同)
パナソニック株式会社ホームアプライアンス社(PDF:1091KB)
ダイキン工業株式会社(PDF:380KB)
※ダイキン工業株式会社の回答は「公開質問状の回答と分析」の発表後に送られてきたため、同社の回答とその分析については同文書に含まれていません。
問い合わせ
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
京都事務所
〒604-0065 京都市中京区帯屋町574番地 高倉ビル305
TEL 075-254-1011、FAX 075-254-1012
E-Mail:?kyoto@kikonet.org?
東京事務所
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-7-3半蔵門ウッドフィールド2F?
TEL 03-3263-9210、FAX 03-3263-9463?
E-Mail:?tokyo@kikonet.org