【プレスリリース】

「フロン排出抑制法改正」にあたっての提言
~抜本的な上流対策と自然冷媒(ノンフロン)への転換が急務~

NPO法人気候ネットワーク
NPO法人ストップ・フロン全国連絡会

本日4月25日、NPO法人気候ネットワークとNPO法人ストップ・フロン全国連絡会は、今国会に上程されている「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(以下、フロン排出抑制法)」の改正案に対しての提言ペーパー「「フロン排出抑制法改正」にあたっての提言~抜本的な上流対策と自然冷媒(ノンフロン)への転換が急務~」を公表した。

本改正案は、フロン排出抑制法の「物質転換」「フロン管理強化」「フロン回収破壊」の3つの柱のうち、「フロン回収破壊」の罰則強化にとどまり、抜本的なフロン対策強化になっておらず、不十分であると指摘せざるを得ない。気候ネットワークおよびストップ・フロン全国連絡会では、パリ協定に基づく気候変動対策・フロン対策として、フロン排出抑制法の改正強化にあたり以下の4点について提言している。5月からはじまる国会審議で議論を深め、すみやかなフロン対策強化と脱フロンの実現(自然冷媒への転換)を求めるものである。

1. 2050年のフロン類排出ゼロを目標とし、法律に明記すること
「フロン排出抑制法」の指針に示された目指すべき姿に提示された「フロン類の段階的な削減を着実に進め、フロン類を中長期的には廃絶することを目指す」をさらに具体化し、2050年までに排出をゼロとすることを目標とし、法律の条文に規定すること。

2. 使用禁止措置と「指定製品」のゼロに向けた中長期目標を設定すること
2050年までのフロン全廃に向け、製品ごとの具体的目標を明記すること。特にHCFCの2020年問題を控え、今の時点で、自然冷媒への新規設備へ転換を促すことができるかが鍵となる。この点からも、指定製品のHFC使用禁止や中長期的なフロン使用の禁止目標を定めておくことが重要と言える。

3. フロン回収強化は経済的インセンティブや技術基準強化が必要
フロン回収機の性能を含め、回収の技術見直しや経済的なインセンティブ(フロン税導入やデポジットのようなしくみ)なければ、今回の法改正案の罰則強化だけでは回収目標を達成することは困難である。経済的インセンティブやフロン回収技術の見直しが不可欠である。

4. Fガス(フッ素系物質)ではなく「自然冷媒」への転換を優先的に行うべき
GWPが一桁で小さくてもFガス(例えばHFC1234yfやHFC1234zeなどでHFOと呼んだりする物質)は、環境影響や人体への影響など検証が不十分であり、拙速にこれまでのフロンと同様のシステムで導入が進むことは第三のリスクを招く恐れがある。自然冷媒に一足飛びに転換することを優先的に行うような政策の順位付けが必要である。

プレスリリース(全文)

「フロン排出抑制法改正」にあたっての提言~抜本的な上流対策と自然冷媒(ノンフロン)への転換が急務~

共同提言

「フロン排出抑制法改正」にあたっての提言~抜本的な上流対策と自然冷媒(ノンフロン)への転換が急務~

「めざせ!ノンフロンの世界3 ~コンビニやスーパーの冷凍冷蔵ショーケースを冷やすのは何者~」

ストップ・フロン全国連絡会は、スーパーやコンビニの冷凍冷蔵ショーケースの冷媒がCO2という技術があるにもかかわらず、新規フロンの開発導入が加速する現状に警鐘を鳴らすための動画「めざせ!ノンフロンの世界3 ~コンビニやスーパーの冷凍冷蔵ショーケースを冷やすのは何者~」を公開した。

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