国連気候変動ドーハ会議(COP18/CMP8)
ドーハ会議(COP18/CMP8)の結果と評価
2013年1月11日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
2012年11月26日(月)から12月8日(土)にかけて、カタールの首都ドーハにて、国連気候変動枠組条約締約国会議が開催されました。気候交渉の歴史で初めて中東・アラブ国で開催される会議としても注目されましたが、会議参加者数は1万105人(政府5445人、オブザーバー3972人、メディア688人)にとどまりました。ドーハでは、次の7つの会議体で並行して交渉が進められました。
- 2つの締約国会議
- 気候変動枠組条約第18会締約国会議(COP18)
- 京都議定書第8回締約国会議(CMP8)
- 3つの特別作業部会
- 議定書の下での先進国の更なる約束に関する特別作業部会第17-2回会合(AWG-KP17-2)
- 条約の下での長期的協力的行動に関する特別作業部会第15-2回会合(AWG-LCA15-2)
- 行動強化のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第1-2回会合(ADP1-2)
- 2つの補助機関会合
- 実施に関する補助機関第37回会合(SBI37)
- 科学上及び技術上の助言に関する補助機関第37回会合(SBSTA37)
ドーハ会議は、長びく「2013年以降の次期枠組み交渉」のプロセスの中で、2009年のコペンハーゲン会議(COP15/CMP5)での失敗の後の交渉を引き継いだものでしたが、2012年末の京都議定書第1約束期間の終了を直前に控え、2013年以降の国際枠組みに一定の結論を出すことが求められていました。交渉では、会期を一日延長し、「ドーハ気候ゲートウェイ」というパッケージ合意を採択し、会議は閉幕しました。
この結果、京都議定書の改正文書が採択され、京都議定書第2約束期間(2013年1月1日~2020年12月31日)がスタートし、交渉を進めてきたAWG-KPは終了しました。これにより、法的拘束力ある温室効果ガス排出削減義務の枠組みが維持されることになりました。また、COP13(2007年)のバリ行動計画にて設立された、全ての国を対象とした取り組みについて交渉してきた特別作業部会(AWG-LCA)は、実質的な進展には乏しいものの、カンクン合意(COP16)、ダーバン合意(COP17)を基礎に、残る作業を補助機関会合に振り分けるなどの決定をして、プロセスを終了しました。
2011年のダーバン会議(COP17)で新たに設立されたダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)では、2013年の作業計画が策定されましたが、ミニマムな合意にとどまりました。
以上を受け、今後の次期枠組み交渉は、ADPに一本化されることになります。「ドーハ気候ゲートウェイ」のパッケージでの合意は、京都議定書第2約束期間の開始を含め、プロセス上の一区切りをつけたとはいえ、目の前に迫る気候危機の脅威に対して各国に大胆な行動実施を促すものにはほど遠いものです。気候変動を防ぐために、交渉はまだまだ大きな課題を残しています。…
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