日本のエネルギーの選択肢や論点について、特に電力に焦点をあてて、「エネルギー基本計画」や政策改定議論の中で十分に考慮されていない点も含めて評価を行い、とりまとめられたものです。
『持続可能な電力供給とは~日本のエネルギー政策に関する評価~』
本レポートは、米国の環境コンサルタント、ブルース・C・バックハイト氏に委託し、昨夏の来日調査を含め、日本のエネルギーの選択肢や論点について、特に電力に焦点をあてて、「エネルギー基本計画」や政策改定議論の中で十分に考慮されていない点も含めて評価を行い、とりまとめられたものです。エネルギー政策の欠陥と改善の方向性が提示されています。
▼「持続可能な電力供給とは~日本のエネルギー政策に関する評価~」の主な論点▼
- 「エネルギー基本計画」では、日本の再生可能エネルギーの急速な拡大の可能性が過小評価されている。FITが現実的に改正され、系統の制約が減じられれば、計画中の新規石炭火力発電よりも早くまた低コストで建設することができる。
- 「エネルギー基本計画」では、過去約20年にわたって見られる石炭及び核燃料の価格変動についても過小評価されており、そのような変動を補うリスクプレミアムの構築などが考慮されていない。
- 「エネルギー基本計画」は、事実に基づいて石炭火力を支持するのでもなく、国内・国際両方において、超々臨界圧やIGCC発電所の利用増加が必要であるという合理的な理由も説明されていない。
- 古い石炭火力発電所や原子力発電所を継続的に利用することに伴って上昇することになる維持管理コストや、その上に追加される安全対策コストについても考慮されていない。
- 日本のエネルギー分野の運用実績に関する透明性が欠如しており、既存及び新規に計画される発電所に関して、現在の水準よりもかなり多くのデータが公表されれば、この重要な分野においてより良い政策を展開することができる。
ブルース・C・バックハイト 日本語版『持続可能な電力供給とは~日本のエネルギー政策に関する評価~』(PDF) 英語版 『Japan’s Path to Sustainable Electricity Supply- A Review of Current Japanese Energy Policies-』(PDF) 詳細は気候ネットワーク東京事務所までご連絡ください。 |