2008年7月9日
主要経済国会合(MEM)、成果なく終了
ブッシュ米政権主導のプロセスも成果なく終了
気候ネットワーク 代表 浅岡美恵
G8サミット期間中の9日、エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合(Major Economies Meeting, MEM)が開催され、宣言が発表された。
そもそもこのプロセスは、G8とは関係なく、ブッシュ米大統領が指導したG8諸国と主要途上国を含む16カ国による会合で、国連プロセスと対抗するような位置づけでスタートした。今回16カ国の首脳が参加した会合でまとめられた宣言は、何ら具体的な成果を示すことのない、あいまいな全く中身のない文章のみを残すことで終了し、結局、多くの首脳の時間を浪費しただけとなった。
明確に理解すべきは、ブッシュ政権主導であったMEMプロセスはこれで終わったということである。日本は、今回のサミットにブッシュ大統領のMEMプロセスを合体させるということで多くに懸念と混乱を引き起こしてきたが、日本が、MEMのプロセスを引き継がなかったことだけは賢明だったといえる。今後は、2009年末の次期枠組みの合意に向け、気候変動の深刻な影響を受ける低開発途上国(LDC)や小島嶼国(AOSIS)の公平な参加が確保されている国連気候変動枠組み条約の下で、建設的な交渉をすることに集中すべきである。
結局のところ、この3日間、気候変動をテーマにしたサミットとして賑わいはしたが、2013年以降の枠組みについて2009年に包括合意することを後押しする進展は何もなく、徒労感だけが残るものであった。G8から何ら真剣なイニシアチブが見られず、重要な機会と時間を浪費しただけだった。
各国はこれから、2009年合意の実現に向けて、本格交渉を開始しなければならない。そのために先進国の自ら率先した大幅削減への約束が緊急に求められている。とりわけ今回の議長国日本は、G8テキストに盛り込まれた「野心的な中期の総量削減目標」を設定し、京都議定書第1約束期間の目標達成を含め、キャップ&トレード型国内排出量取引や炭素税といった経済的措置などの政策強化を図り、率先実行すべきである。
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以上
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