気候変動問題に関する国際会議の政府代表団への参加についての要請書
2013年4月30日
FoE Japan
オックスファム・ジャパン
Office Ecologist
気候ネットワーク
グリーンピース・ジャパン
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
WWFジャパン
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議
貴省の気候変動問題に対する、日頃の御努力、御奮闘に対し、心から敬意を表します。
私たち、気候変動問題に関して活動している市民団体(環境NGO)は、これまで気候変動枠組条約締約国会議(COP)などにオブザーバーとして参加し、2009年のコペンハーゲンで行われたCOP15からは、COPや補助機関会合などで日本政府代表団に参加させていただいて来ました。
ところが、4月25日、COPなどに参加する日本政府代表団の数を減らすことになったので、市民社会(NGO、産業界、労働組合)の代表団への参加を見直し、今後は取り止めるとの説明を受けました。
1992年の地球サミットで採択されたリオ宣言第10条が、「環境問題は関心あるすべての市民が適時、参加することで、最も良く対処される」としているように、気候変動問題のような地球規模の環境問題において市民の参加は不可欠だと考えます。同時にリオ宣言は、「国家は情報を広く公開し、国民の認識と参加を促進、奨励しなければならない。」としています。こうした趣旨から、2002年の「リオ+10」で5名の市民団体の代表が政府代表団に参加を認められ、気候変動問題の国際会議でも政府代表団への参加が認められるようになったと理解しています。
御承知のとおり、気候変動問題の国際交渉会議では、いくつかの国々が公式・非公式な形で市民団体の代表を政府代表団に参加させており、そのことが国際的な合意の形成に役立っていると評価されています。私たちも、政府代表団に参加させていただくことで、日本政府の考えやその背景などを理解し、また、日本国内や国際的な市民社会の意見や考え方を、政府代表団に伝える努力をしてきました。参加の範囲はまだ限定的なものではありましたが、相互の理解に役だつよう、政府側も私たちも努力してきたと理解しています。
今回の措置は、今まで築いてきた政府と市民社会の対話を後退させるものであり、また市民参加、情報公開、という民主主義社会の鉄則からも大きく後退するものでもあり、国際的な潮流にも反するものと評価せざるを得ません。2015年をターゲットに、気候変動交渉は益々多角化しており、今後は政府代表団への参加に加え、さらなる政府と市民社会との対話が必要な時期に差し掛かってきていることは、多くの国々が認識している課題です。
市民社会(NGO、産業界、労働組合)の政府代表団へ参加が継続され、情報公開・共有および実質的な意見交換や対話が促進されるよう、再度検討していただくよう強く要請したいと思います。よろしく御検討ください。
要請書 本文
URL:https://www.kikonet.org/