2023年1月下旬に引っ越しをして、「高気密高断熱」「太陽光・蓄電池」を導入し、光熱費がどうなったのか、CO2排出量がどうなったか、最も気になるところです。
 かつて住んでいた家と比べてまとめてみました。

1.家の条件と不動産屋の情報
2.高気密高断熱住宅について
3.太陽光パネルと蓄電池

4.光熱費とCO2排出量

光熱費の削減

 まずは下の表をご覧ください。太陽光パネルのついていない2月ー3月。まだ暖房が必要な季節の2021年から3年間の光熱費(電気・ガス)です。

*オレンジ=ガス代 青=電気代

  まず驚いたのは2021年から2022年に光熱費が大きく増えていることです。旧宅は給湯とレンジと暖房がガス、それ以外は電気の家でした。21年と22年で電気もガスも使う量はそれほど変わっていませんが、値段が毎月一年を通じて急激にあがっていることがわかりました。家計をしながら高騰していることは感じていたものの、表にしてはじめて光熱費の高騰を数値で実感しました。

 2023年は新宅になってからの費用です。今回、新宅はオール電化でした。ガスの生活に慣れていた私は、いろいろと戸惑いましたが、電気代は上がったものの給湯もIHも暖房もすべて電気となったので、ガス代とあわせた金額で比べると大きく減らすことができました。しかも、部屋の一部が暖かかったりするのとは違い、全室家の隅々まで暖かくした状況で下げることができました。さらにいうと、両親が一階だけで生活できる空間を確保するために、床面積は旧宅に比べて約1.5倍の広さになっています。

電力会社の排出係数でCO2排出増に

 旧宅では、電力会社はみんな電力と契約していました。しかし、引越しに伴い、オール電化での電気使用量などがよくわからず、東京電力に戻して様子を見ることにしました。夜間電力でエコキュートが動くのです(エコキュートの設定自体が夜間に動く設定しかない)。その結果、光熱費は下がったものの、2月のCO2排出量は2023年の方が大きくなるという結果になってしまいました。みんな電力の方が排出係数が低いことに加え、ガスの排出量の約2倍ある石炭が電気に使われていることで、電気を使うことが排出量を増やすことになっていることが浮彫になりました。

2022年2月 CO2排出量 210.744kg
(ガス:144㎡ × 0.442 = 63.648㎏  
 電気:403kWh × 0.365 = 147.096㎏)

2023年2月 CO2排出量 232.744㎏
(電気:619kWh × 0.376 = 232.744㎏)

大幅削減は太陽光のおかげ

 年間を通した光熱費の推移をグラフにしてみました。引っ越し後に電力会社をみんな電力から東京電力(TEPCO)に変えたので、青色はみんな電力、緑色はTEPCOへの支払いです。太陽光を設置した5月から6月、7月と光熱費も大幅に削減できました。7月は東電分の電力消費量が77kWhだったのでCO2排出量も28.952kgと2月に比べると88%も削減となりました。ちなみに、電力消費量は750kWhだったので、2月よりも約2割増です。

蓄電池だけだと電力消費量アップに

 実は、工事のミスで太陽光よりも先に蓄電池が導入されました。その後、太陽光が取り付けられるまでの約1週間、明らかに電力使用量が増えました。事業者からは、いったん電気に貯めるだけなので、増えるはずはないと聞いていましたが、データで見ても増えていることは明かです。この時期、エアコンを使う時期でもないため、日常的な使い方はほとんど変わっていません。おそらく、蓄電池をオンにしているだけでも結構電力消費しているのではないかと思います。なので、災害用に蓄電池だけを導入しようとしている人は、注意してください。

蓄電池の設定が重要

 6月よりも7月の方が圧倒的にエアコンの使用量が増えたのですが、光熱費を下げられたのは蓄電池などの設定にあります。太陽光パネルを5月20日に設置して、大幅に下がるかと思った電力消費量が下がりませんでした。業者からの設置完了報告まで時間が空いて、それまでその原因が確認できなかったのですが、蓄電池の設定であることがわかり、6月6日、エコノミーモードからグリーンモードに切り替えることで翌日から削減につながりました。蓄電池の設定のデフォルトが、エコノミーモードといって夜間電力での充電にセットされていたのです。つまりせっかく太陽光が発電していても、それを充電に全く使えていなかったのです。

夜間充電を最低限に

 6月6日にはグリーンモードに切り替えたものの、夜間電力で50%充電する設定にしていたのですが、おもいきって夜間電力では20%までしか充電しないことにしたところ、さらに大幅に削減できました。それが6月16日のことです。

エコキュートを毎晩切る

 またその時から、毎晩エコキュートを「旅行モード」に切り替えて夜間電力で稼働しないようにし、昼間にエコキュートを手動で動かすようにしたところ、安定して電力消費量の低水準が続くようになりました。たまにエコキュートの旅行モードを忘れると、翌朝たっぷりお湯が貯まっていて大後悔することがあります。最近のエコキュートは太陽光発電に合わせてお湯を貯めるようなものができているようなので、次に買い替える時がきたら太陽光エコキュートにしたいと思います。ネットで検索していると、エコキュートの時間設定をAMとPMを逆転させて12時間変えておくと、ちょうど昼間時にエコキュートの給湯がはじまるようにできるのだとか。夜の設定忘れが頻繁になってきたらやってみようかと思っています。

CO2を減らして豊かな生活を送れる!

 オール電化と太陽光発電・蓄電池の使い方は四季を通じて変わってくると思います。電気の自産自消がかなりできるようになったものの、やはりオフグリッドにまではなかなかいきません。

 「脱石炭」など訴えると、「江戸時代に戻るのか!」「だったらロウソクで生活しろ!」などという反論がいまだに返ってくることがあります。しかし、家の構造次第で、家のどこにいても冬あたたかく、夏は涼しい生活ができ、太陽光や蓄電池のおかげでCO2を大幅に削減することができるのですよ。火力に頼る時代は終わったのです。

 再エネはあてにならないなどと言わないで、多くの人に積極的に導入してもらいたいと声を大にして言いたいのです。

 今は、東京電力との契約なので一部石炭火力の電気も使っていることになります。一年間の使い方がある程度わかってきたところで、自分にあったパワーシフトな電力会社に切り替えます。完全な脱炭素生活まであと一歩です。