太陽光パネルと蓄電池の導入について検討されている方だけではなく、再エネに懐疑的な人にこそお勧めしたい情報です。

3.太陽光パネルと蓄電池について

太陽光パネルと蓄電池の設置

 引っ越してすぐに太陽光パネルの設置を申し込みましたが3か月待ちと言われました。3か月ならまだいい方で、少し前は半年以上待たされた例もあったようです。

 太陽光パネルの発電効率は太陽光の入射角度とパネルの方角で大きく変わり、日本では真南向きの方角に傾斜が30度で最も効率が高いと言います。うちは南西の方位15度、屋根の傾斜は22度。屋根の形は切妻屋根で屋根面の半分を使うことができました。

 太陽光発電に向いている屋根の形状は南向きの”片流れ”の屋根です。太陽光パネルを載せることを前提にしていなければ、まずそういう屋根の家は見つかりません。中古住宅で見つけることはかなり難しいと思います。

 家探しをしているときに、いろんな家の屋根を見ることが趣味のようになっていましたが、意外と南面に向いている屋根が少ないことがわかりました。場合によっては、家の中に太陽光を入れるためなのか、北向きに片流れの屋根になっている家もかなり見ました。日本の住宅は太陽光発電のポテンシャルが本来高いはずなのに、全然活かされていないのは本当にもったいないことです。こうなるとFITで元をとるのも大変でしょう。

 再エネを主力電源化にする時代。基本的に、家は太陽光パネル搭載を前提にあってほしいものです。

 蓄電池については、高価だし、神奈川県も横浜市も補助制度がないため、悩みましたが、太陽光パネルとセットで導入することで太陽光パネルが40万円程度安くなることから一緒に設置することにしました。今考えると、これは本当に決断して大正解でした。

太陽光発電

 太陽光パネルは、5.44kW搭載できました。いまや我が家の主力電源で、ほぼ家で使う電気のすべてをこれで賄えています。とくに我が家には老人2人がずっと家にいて、温度を一定に保たなければならないため、普通の家よりも電気を使います。光熱費が高騰する中で、太陽光発電は本当にありがたい存在です。

 設置業者さんが事前に算定してくれた年間推定発電量は、6509kWhです。設置から3か月経ってないため、実際の年間の発電量はわかりませんが、7月1か月で876kWh発電していました。今年は関東は曇りの日が少なく、梅雨時でも日差しが多かったためだと思いますが推定量の592kWhから1.5倍近く発電してくれたことになります。

 「総経済メリット」もあらかじめ出してもらいましたが、以下の計算のとおり、自家消費の支出減少と売電による収入で総計11177円のメリットがあることになっています。これは、太陽光パネルだけを導入した場合の計算で、実際には蓄電池によって自家消費分を大きく上げることができ、7月だけで672kWhも自家消費しました。

表・総経済メリットの想定(2023年3月に算定してもらったもの)

 実は、いまだに売電のための登録ができず、余った電気は自動的に逆流している状態で、一円の収入もありません。できるだけ家で自家消費するように、晴れた日などは家に誰もいなくてもエアコンを2台フル回転させたり、煮込み料理をしたり、電気をいかに使うかばかり考えていました。”省エネ”とは真逆の生活です。自家消費分が大きいのは、ほぼ寝たきりの老人が家にいることで毎日エアコンがつけっぱなしの状態であることに加えて、一生懸命電気を使ったからにほかなりません。

蓄電池は絶対につけた方がいい

 蓄電池は、導入して正解でした。10年保証がついているし、蓄電池があることで、朝夕の最も電気を使う時間帯に太陽が照っていなくても、貯めた電気でかなりカバーされます。もっとも、日照時間の長い5~7月の経験なので、冬はそこまでカバーできないかもしれませんが、それでもあるのとないのでは全然違ってくるでしょう。

 蓄電容量は9.8kWhです。夏場はエアコンを使いながらでも午前中のうちにフル充電されます。冷暖房がなければ、9.8kWhあれば、だいたい朝まで蓄電池の電気だけで大丈夫です。しかもコンパクト。エアコンの室外機程度の大きさです。

 東京都に住んでいれば、費用の半額補助が受けられたかもしれないと考えると、神奈川県や横浜市がゼロエミッションを打ち出しながら、何の補助もつけていないのは納得いきません。そもそも、国こそが、水素やアンモニアなどに何兆円もかけるなら、すでにあるこうした技術の普及にこそ資金を投入するべきでしょう。

参考)令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業

つづく→ 4.光熱費とCO2排出