9月24日は世界気候アクションの日(Global Day of Climate Action)です。この日は世界各地で同時に、気候危機を防ぐための具体的な取り組みを各国のリーダーたちに求めるアクションが実施されます。

スウェーデンから始まった気候ストライキ

 グローバル気候アクションは、2018年にスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが始めた気候変動に対するストライキをきっかけに広がったムーブメントです。2018年8月、グレタ・トゥーンベリはスウェーデン政府に気候変動対策の強化を求めるため、学校の授業を休み、国会前で「気候ストライキ」(学校ストライキ)を始めました。

 彼女の取り組みはSNSなどを通じて広がっていきました。もともと、このストライキはスウェーデンの総選挙までの3週間続けることが計画されていましたが、選挙後もスウェーデン政府がパリ協定での約束を実行に移すまで、グレタや彼女の仲間たちは毎週金曜日に気候変動ストライキを続けることにしました。

 その後、毎週金曜日の気候変動ストライキは世界中に広がり、「Fridays for Future」(未来のための金曜日:FFF)と呼ばれるようになりました。各国で若者を中心にFFFのグループが誕生し、日本の各地でもFFF仙台、FFF横須賀など、数多くのグループが活動を続けています。

気候危機を止めるための世界同時アクション

 2019年3月には、世界中の気候ストライキが初めて一斉にアクションを行いました。このときのアクションには日本も含む世界125か国の2000以上の都市で、140万人以上が参加しています。この世界同時アクションは、「グローバル気候ストライキ」(日本では「グローバル気候マーチ」)と呼ばれ、その後も定期的に行われています。

 なかでも、国連気候行動サミットに合わせて2019年9月20日に行われたグローバル気候ストライキには165か国で400万人以上が参加し、過去最大規模のアクションになりました。この日は日本でもグローバル気候マーチが開催され、23都道府県で5000人以上が参加しています。

初の世界気候ストライキが開催された2019年3月15日、京都でもアクションが行われ、気候ネットワークのスタッフも参加しました。

 日本各地で開催されたグローバル気候マーチの動画は、こちらで紹介されています。

 日本のグローバル気候マーチはその後も2019年11月に再び開催され、2020年4月と2021年の4月には、COVID-19のパンデミックの影響もあり、デジタル空間でのオンラインアクションが実施されました。また、2020年9月の「世界気候アクションの日」には、自分の靴とメッセージを並べて写真を撮り、SNSで発信する「シューズアクション」が実施されました。

2020年グローバル気候アクションの日の「シューズアクション」の様子はこちらで紹介されています。

9月24日は世界気候アクションの日

 今年も、9月24日(金)の世界気候アクションの日に合わせ、世界中でアクションが実施されます。日本でもFFF Japanがアクションを呼び掛けており、今年もオンラインでのアクションが予定されています。当日は、ビデオチャットサービスのZoomを通じてオンラインマーチが開催され、その様子はYouTubeでも配信されます。

 また、当日17時からはTwitterなどSNSでハッシュタグ「#気候危機見て見ぬふりはもうできない」のツイートストーム(一斉投稿)が呼びかけられています。(オンラインアクションの詳細

 世界気候アクションのウェブサイトでは、「企業に求める10か条・政府に求める9か条」を掲載しています。企業に求める10か条には、経済活動における温室効果ガス排出を減らすことや、石炭火力発電や原子力発電への投融資の停止、政府に求める9か条には、エネルギー基本計画において再エネ比率を大幅に引き上げ、2030年までに石炭火力発電をゼロとすることなどが含まれています。

 9月24日にはほかにも、日本各地で様々なアクションが予定されています。詳しくは、FFF Japanのウェブサイトで紹介されています。

 それぞれの参加しやすい場所や方法で、私たちの未来を守るための行動を呼びかけるアクションに是非ご参加ください。気候ネットワークもアクションの宣伝やツイートストームへの参加など、世界気候アクションの盛り上げに貢献したいと思っています。

この記事を書いた人

森山 拓也
森山 拓也
気候ネットワーク東京事務所職員。