こんにちは。東京事務所インターンの愛琳です。7月23日の日曜日に、千葉県袖ケ浦で建設が予定されている火力発電所周辺で見学会が行われました。自分の目で見て、計画中止というおもいを共有している人々と話すことで、多くのことを学びました。

袖ケ浦の計画

九州電力、出光興産、東京ガスの3社が共同出資している千葉袖ケ浦エナジーという会社が、この地域に2基の火力発電所を建設する計画しています。稼働すれば、SOx, NOx, ばいじん等の汚染物質が排出されると予想されています。もし稼動が始まってしまうと、この2基だけで日本のCO2排出量の1%を占める量が出される計算になっています。(詳しくは石炭ウォッチをチェック!)

建設予定地の半径5km圏内には、幼稚園から高校までが20以上あり、公園や図書館などの人々が集う場所を含めるとその数はさらに増えます。

現在、国の環境影響評価法に基づいたアセスメントが実施されています。今年の9月頃には、市民の声が届けられる最後の機会となるアセス4段階目「準備書」が出される予定です。

(くわしくは・・・環境省『環境アセスメントガイド』をチェック!)

環境省も、経産省に対して計画の再検討を求める「意見書」を提出しています。袖ヶ浦の計画については、「是認できない」という厳しい姿勢を示しています。

 

 

見学会

23日の見学会には、地元袖ケ浦の人々、東京湾周辺で石炭火力の計画がある地域から集まった「石炭火力を考える東京湾の会」のみなさん、そのほか市民グループの方や、袖ケ浦で太陽光発電をしている方、NGO/NPOグループなどが集まりました。

はじめは、発電所地帯から潮干狩り場まで一帯を見渡せる展望台にのぼり、地理的な感覚をつかみました。

既設の火力発電所の煙突、天然ガスを貯蓄するタンク、それを運んでくる大型タンカーなどがみえました。その横には潮干狩り場がひろがっていました。実際は、工場からでる温排水や温暖化による水温の上昇などのあらゆる影響によってアサリがほとんど獲れないという話を以前聞いたばかりだったので、なんだか寂しい光景でした。

そこからは、発電所が建設されてしまった場合に、温排水が流れ出てくる排水溝をまわりました。海が渦巻いている様子がみえましたが、それによって温排水を海水と混ぜ合わせるのだという話でした。様々な原因で東京湾の水温が上がっていることは明らかですが、さらに別の原因を加えてしまうことになるのだ、と感じました。

その後は建設予定地が見える場所に移動し、アクションとして参加者全員で写真を撮りました。

 

 

今回見学した袖ヶ浦をはじめ、東京湾付近には6基の新設計画があります。これらの地域が一丸となって、「石炭火力発電所はいらない」というメッセージを事業者に伝えていて、既に市原の計画は中止が決まっています。今回の見学会を通して、どこに何がどれくらいの規模で計画されているのかを、自分の目で確かめることができました。そして参加者の皆さんのお話を聞く中で、より戦略的に計画中止を求めていくためにいまなにをするべきか、じっくり考える必要があるなと感じました。

 

 


関連リンク

石炭火力を考える東京湾の会ウェブサイト

 

この記事を書いた人

気候ネットワーク
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気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。