京都事務所の伊与田です。
きょう4月22日は「アースデイ(Earthday;地球の日)」。持続可能な社会に向けて、地球環境のことを考え、行動する日です。日本各地で関連イベントが行われるみたいですね。
アースデイ東京2015 "Yes, Peace!"
さて、先週末の4月18~19日には、約10万人が参加する、日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」が東京・代々木公園で開催されました。戦後70周年である今年のアースデイ東京のキャッチコピーは"Yes, Peace!"。エネルギー、食と農、経済という3つのテーマをもとに、コンサート・ライヴや、NGOやNPO、企業などによる展示などが行われました(私も参加してきました!)。
グローバルなキャンペーンaction/2015
その中に、貧困のない世界をめざすNGOのネットワーク「動く→動かす」による"action/2015"の展示がありました。
action/2015は、世界125ヶ国の1300以上の市民団体が参加する国際的なネットワークであり、貧困・格差、不平等、気候変動のない世界をつくるためのキャンペーンなのです。「ポスト2015年開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が決められる今年9月の国連総会や、11~12月にパリで開催されるCOP21に向けて、国際社会の問題解決を各国政府に求めています。
action/2015のイメージムービー
気候ネットワークも参加する、日本の気候変動NGOのネットワーク組織"CAN-Japan"も、action/2015に協力しています。その関係で、私も2日間、ブースのお手伝いをしてきました(気候変動に関心を持っている方も多くブースに訪れました。温暖化の現状や課題についていろんな方とお話しできたのは楽しかったです)。
「 あなたが大切だと思うことは何ですか?」
action/2015のブースでは、「アドボカシー・フォト」参加の呼びかけを行いました。これは、貧困、飢餓、食糧、福祉、ジェンダー、教育、気候変動などといったテーマから、みなさんが最も関心の強いテーマを1つ選んでもらい、写真を撮って、「これが大切だと思います!」とメッセージを出すというアクションです。
それぞれの人の関心事項は、action/2015が集計し、「●●に関心を持っている人がこれだけの数いるんですよ!だからもっとしっかりやりましょう」と政府に働きかけをする際に活用します。アースデイ東京では100人を超える方にアドボカシー・フォトに参加いただくことができました。
action/2015に参加して、あなたの声を届けよう!
アースデイ東京に参加されなかったみなさんも、ぜひaction/2015に参加してほしいです。ただ、「関心のあることを1つ選ぶ」というのはなかなか大変かもしれません。現在提案されているポスト2015年開発目標には次のものがありますが、どれもとても重要だからです。
- あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
- 飢餓を終わらせ、食糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
- あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
- すべての人々への包括的かつ公平な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
- ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女子のエンパワーメントを行う
- すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
- すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な現代的エネルギーへのアクセスを確保する
- 包括的かつ持続可能な経済成長、およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク(適切な雇用)を促進する
- レジリエントなインフラ構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進、およびイノベーションの拡大を図る
- 各国内および各国間の不平等を是正する
- 包括的で安全かつレジリエントで持続可能な都市および人間居住を実現する
- 持続可能な生産消費形態を確保する
- 気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる(国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、気候変動への世界的対応について交渉を行う一義的な国際的、政府間対話の場であると認識している。)
- 持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続的に利用する
- 陸域生態系の保護・回復・持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・防止および生物多様性の損失の阻止を促進する
- 持続可能な開発のための平和で包括的な社会の促進、すべての人々への司法へのアクセス提供、およびあらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包括的な制度の構築を図る
- 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
(IGES仮訳)
全部重要ではありますが、どれか1つ選ぶことで、一体どのテーマを重点的・優先的に取り組むべきなのかを各国政府に伝えることができるようになります。今、何が重要なのか、ぜひ考えてみてください(私は、自分的に「適切な雇用」が大切やなーと気になりつつも、やはり「地球温暖化」を選びました)。
だれでもaction/2015に参加できます。次のウェブサイトに参加方法が書いてありますので、ぜひチェックしてみてください!(画像をクリックするとサイトが開きます)
MyWorld2015でも投票しよう
また、国連機関(UNDPなど)も、"MY World"というウェブサイトで、市民対象のグローバルな調査を実施しています。「一般の方人々の声、優先事項、意見を集約し、貧困を撲滅するための次のグローバル目標策定プロセスを始める世界のリーダーたちに伝えることを目的としています」とのこと。こちらもぜひ投票してみてください!
ウェブサイト:MyWorld2015
アースデイ大学「この目標で私たちの15年が決まる!?」
また、「アースデイ大学」というトークステージでは、「この目標で私たちの15年が決まる?!~持続可能な社会に向けた世界の取り組み~」と題する公開セッションが開催されました。動く→動かすの諸英樹さん、国際連合広報センターの根本かおるさん、United Youthの福島宏希さんが登壇。
2015年は、国連の新しい開発目標や気候変動の新枠組みが決まる、とっっっても大切な年なんだ、アクションをしていこう、というメッセージがありました。根本さんがお話の中で紹介されていた、潘基文国連事務総長の動画が印象的でした。
2015年は、世界にとって様々なことが決まる、歴史的で、重要な年です。よい合意ができるよう、アクションを起こしていきましょう!
この記事を書いた人
- 気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。
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