みなさん、こんにちは!京都事務所インターン生の大同です。

 前回に続き、今回はドイツで参加してきたグローバル気候マーチについて報告したいと思います。グローバル気候マーチは、化石燃料をやめ、再生可能エネルギー100%社会への公正かつ速やかな移行を目指して行われる、全世代型のマーチです。グレタ・トゥーンベリさんが毎週金曜日に一人で始めた若者による学校ストライキがきっかけとなり、世界中に広がる中で、その運動をしている団体 Fridays For Futureや、その他様々なNPOが中心となって企画しています。今年も9月15日にドイツ各都市でグローバル気候マーチが実施されました。

 このドイツ滞在を決めた時には、グローバル気候マーチの日程はまだ発表されていなかったのですが、なんとフライブルク滞在日とマーチの開催日が被っていることが分かりました。

フライブルクの気候マーチへの参加

 そして迎えた当日9月15日。

 予想最高気温は27℃。実際は31℃。コロナ前の口コミでは、9月のドイツはこんなに暑いなんてどこにも書いていなかったし、むしろライトダウンがあると良いですと書いてあったのに、まさかの半袖で良かったのです。コロナ前とコロナ後のわずか4年ほどでも、また気候が変わってしまったんだと実感しました。

 13時から1時間ほどは、ステージでミュージシャンによるパフォーマンスが繰り広げられました(写真2-1)。どんどんと人が集まってきて、30分ほどで広場が埋め尽くされるほどの人の数になりました(写真2-2)。小学生から老夫婦まで、気候マーチを知っている人から知らない人まで。参加している人はプラカードを持っていたり、垂れ幕を作っていたり、中には、ベスト型のものを自分で被って参加している方もいました。

写真2-1
写真2-2

 近くにいたご婦人とお話させていただいたところ、「このマーチはすごく大切な役割を担っていると思う。若い人がこうやって声をあげることはとても大事。」と話してくださいました。

 また、現地のFridays For Future Freiburg の方に混じってパフォーマンスを見ながら盛り上がっていたのですが、日本から来たことを伝えると、皆さんとても驚きつつも、歓迎してくれました。実際に参加してみて、国を超えて声をあげていかないといけないことなのだと、改めて危機感を抱きました。

 14時からは気候マーチが始まりました。約30分ほどかけて街を半周しました(写真2-3)。今回は、気候変動に取り組む3つの団体が参加し、延べ参加人数は約6500人だったということです。

写真2-3

「What do you want ?」「Climate Justice!」「When do you want it ?」「Now!」という、日本でもお決まりの掛け声以外にも、ドイツ語でも掛け声が繰り広げられました。

6500人という数なので、道路を埋め尽くし、道行く人も自然とマーチの一員となっていました。

気候マーチで感じた空気感

 気候マーチに、異国の地で参加して感じたこと、それは、言葉が分からない、気が付いたらマーチの中にいた、そんな人でも自然と掛け声を繰り返して行くうちに笑顔がこぼれ、段々と声も思いも大きくなっていくということです。これは、日本のマーチとは全く違う感覚でした。もちろん日本でもそれぞれが思いを持って参加しており、盛り上がることは確かですが、私個人の思いとして、どこか「見られている」という感覚をぬぐいきれません。しかし、フライブルクでは、見ている人も参加しているんです。窓から覗いている人も一緒に声をあげてたり、1回だけでも掛け声を真似してみたり。気候マーチという目的はありますが、それだけでなく一体となって楽しんでいるあの空気感がとても印象に残っています。危機感を持ちながらも前向きに進んでいる様子に鼓舞された、そんな時間となりました。

 日本とは全く雰囲気の異なる気候マーチに参加できたことは、とても貴重な経験でした。残された時間は少なく、今行動することが大切であること、気候危機は単なる環境問題ではなく、様々な社会問題とも絡み合っていることを改めて強く感じました。「マーチ」「ストライキ」という言葉に対するイメージは人それぞれだからこそ、どうしたら周りに知ってもらい巻き込めるのか、その方法を考えるきっかけになりました。

 今回はここまでです。次回は最終回。日本では出会えなかった、ドイツならではの発見をご紹介します!

この記事を書いた人

気候ネットワーク
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気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。