京都事務所インターン生の鈴木です。
現在、ペルーの首都リマで開催されているCOP20(気候変動枠組条約第20回締約国会議)に来ています。COP20では、各国政府が集まり、新しい気候変動対策の枠組みを2015年に合意し、2020年から発効するべく、白熱した交渉が繰り広げられています。
これから現地時間12月5日(金)~14日(日)の滞在でインターン生として感じたことを率直に書き記していこうと思います。第1回目は、初日の12月5日(金)分です。
バッジを見れば、誰が政府代表団かが判明!?
まずCOPへの参加は、会場で手荷物チェックを受けた後、バッジを作成して始まります。
バッジには、Party (締約国:ピンク)、Observer(傍聴:黄色)、Press(報道関係者:オレンジ)などで色が分かれていて、NGOはObserverの黄色のバッジです。これらの色の違いでどの会議場に入れて、どの会議場に入れないのかが分かります。
例えば、"Parties and Observers Only"の場所には政府関係者やオブザーバーしか入ることは許されませんし、Press Onlyには報道関係者しか入ることができません。私はNGOである気候ネットワークからの参加なので、黄色のObserverのバッジを携帯しています。
COP20の会場はテーマパークのような広さ
会場入りしてみて驚いたのが、COP会場の広さです。さながら小さなテーマパーク並の規模です。その中には、会議場、各国のパビリオン、国連機関・NGOのブース、レストラン、コンピュータールームなどが建ち並んでいます。日中は暑く、木陰で食事をとる参加者が多く見られました。
国際交渉の臨場感!?
最初に傍聴したのは、「ADP meeting on item 3」 という来年のCOP21で決定する合意にどんな内容を入れるべきなのか、2015年合意の要素を議論する会議でした。
あらかじめ共同議長が作成したノン・ペーパー(非公式文書)のMitigation(温室効果ガスの削減)、Transparency(透明性の確保)、Technology transfer(途上国への技術移転)、Capacity building(能力構築)などの項目に対して、発言を求める国が共同議長の指名を受け、順番に自国の主張を展開していきます。
各国の立場によって、「この条項は賛成できる」「どの国の提案に賛成だ」「この部分は支持できない」「この箇所は削除すべき」「我々はこのように提案する」「途上国と先進国を分けて考えるべきだ」「すべての国々を含めるべきだ」など発言は様々です。ある国は主張を簡潔に述べ、ある国は10分以上も主張を続けたりもします。その結果、会議は予定の時間内で終わらず、翌日に持ち越しになりました。
まさに、国や交渉グループの数だけ主張も異なる国際交渉の臨場感そのものを感じることができました。
国際交渉におけるNGOの役割は?
さて、気候ネットワークのインターンとしてCOP20に参加していますが、国際交渉におけるNGOの役割とはいかなるものなのでしょうか?
日本では一般的にNPO/NGOは政府の政策決定にあまり関係がないイメージがあります。しかし、国際会議ではNGOは政府に並ぶ重要なアクターのひとつとして認識されています。COPにおいてもNGOが発言をする機会は設けられていますし、政府代表団の中にNGOのメンバーを入れている国もあります(日本でも一時期、NGOメンバーが政府代表団入りしていたことがあります)。
次回以降のブログで、国際交渉におけるNGOの役割について深く触れていきたいと思います。
日本では衆議院選挙の真っただ中で、気候変動に関するCOP20のニュースはあまり報道されないかもしれません。しかし、日本から見ると地球の反対側にあるペルーで、地球の将来、人類の生存の課題を議論していることに少しでも多くの方が耳を傾けて頂けたら幸いです。
この記事を書いた人
- 気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。
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