気候ネットワークインターンの山下さんからの特別寄稿です!
国連気候サミットを目前に控え、グローバル気候マーチが9月20日から世界的に行われます。それに際し、日本で参加したFridays for Futureでの自分の中での心の移り変わりと私が感じたフィンランドと日本での意識の違いに焦点を当て、記事を書きたいと思います。
子ども・若者主導の気候アクション「Fridays For Future」に参加
普段はフィンランドで大学生活を送っており、今夏は気候ネットワーク京都事務所でインターンをすることができ、そこでFridays for Future(未来のための金曜日)の京都と大阪に参加しました。その参加前後で、アクションに対する印象が変わったのは自分の中で大きなものでした。
当初は、学校をストライキするほどのマーチとは一体どれほどなのか、また私が今までそのようなアクションに関わったことが無かったことから躊躇いがありました。しかし、実地に行かないと何事も分からない、同じように参加される方とお話をしてみたい、といったことから参加を決定しました。当日は、マーチをしたり、その後の懇親会でお話をしたりすることで、活動への理解が深まったと思います。
マーチでは、歩行者の意識をこちらに向けることができ、特に海外の観光客の方から声援を頂きました。その時、日本でもマーチをすることで呼びかけている方がいることに安心したと同時に、私が以前から抱いている「なぜ海外の方がよく反応するのだろう。日本の方は…?」という疑問が浮上してきました。
また、他のところでも学生さんとお話をする機会があり、その中には、私たちが生きている間は石炭火力の時代と豪語する方もいらっしゃいました。ミレ二アルやZ世代と言われる若者の中でさえも、こういう考えを持つ方がいらっしゃる現状に、お話を聞いていて寂しくもあり残念にも感じました。
フィンランドに根付いている環境意識
私の専攻が環境工学であることが影響しているかもしれませんが、私の周りでは環境のことを考え、エネルギー事情やエネルギーを無駄にしていることに関連してフードロスを意識したイベントを大学規模で行ったりしています。
具体例をあげると、エネルギー節約週間なるものだったり、街の中心街でスーパーからの消費期限が過ぎそうなものを無料で提供したり、着なくなった服を指定場所に集めてから別日に欲しい人が取りに来るというキャンペーンをしています。
私が住んでいる町はこじんまりしていますが、日本との人口比に対してセカンドハンドショップと呼ばれるリサイクルショップが多くあります。単純な比較は出来ませんが、それでも普段の生活で環境に配慮する習慣が根付いていることが伺えます。
他でも、スーパーで青果を購入する際にはスーパーに備え付けの袋を利用するのですが、そちらも環境に配慮した自然分解されるビニール袋がある場合もあります。日本のスーパーでは、買う時点で既に袋詰めされていることが多く、先述したような包装であることは稀です。日本での生活スタイルを供給側から変えるのは至難ですが、消費者の意識が変われば、社会も少しずつ変わっていけるのかなと思います。
恥ずかしながら私はまだ参加したことがないのですが、フィンランドではFridays for Futureが各地域で行われており、またヘルシンキでは毎週行われているようです。それだけ世間に訴えているということです。
参加することで広げる
一方、日本ではまだまだ活発に行われているようには思えません。それは、国民の環境に対する意識が低めであることが考えられます。また前述したように、日本人のマーチへの反応が薄いと感じました。
それは、自分がある種のデモのような活動に関わりたくないという気持ちの表れでもあるかもしれません。しかし、同じように感じていた私が今思うのは、少しでも気候危機に関心があれば、マーチに参加する意義はあるということです。参加することで、自分自身の視野が広がり、活動をそれぞれの地元などで拡げていき、より多くの人が気候危機について考えるきっかけを作ることもできると思います。
事実、Fridays for Futureのことを大学の講義が始まるにあたり参加した経験を伝えると、そのイベントをここで開催するのもありなのではないか、と提案していただきました。既存のイベントに参加したら今度は各々でする番、そのようにして更に多くの人々が気候危機に関して考える機会を得ていくように思います。
グローバル気候マーチを通して、参加者のみならず沿道で見かけた方々が少しでも気候危機や環境について考える機会になればと強く思います。
参考:全国各地のグローバル気候マーチの情報はこちら
https://ja.globalclimatestrike.net/
この記事を書いた人
- 気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。
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