京都事務所の伊与田です。日々の猛暑に参ってしまいそうになる今日このごろですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

最近もあちこちで観測史上最高気温や最多雨量などの新記録が出ており、熱中症の被害も頻発しています。フィリピンに帰った気候ネットワークのインターン生・マーヴィンさんからは、フィリピンに台風が立て続けに3つもやってきたと連絡がありました。これまでにない気候の時代に突入してしまっているように思います。京都もほんまに暑いですよ!

参考記事:温暖化する地球、日常化する異常気象?

京都・祇園祭の季節です

さて、この暑~い時期に開催される、日本を代表する京都の祭りといえば、「祇園祭」です。もともとは、京都で疫病に苦しんだ人々が厄除けを願って始めたのだとか。昨年度(2014年)には、62万人もの人が日本中から、世界中から集まったそうです。

今年も京のまちには山鉾が立ち並んでいます。実は気候ネットワーク京都事務所から徒歩すぐの場所にも、山鉾のひとつ「長刀鉾」があります。下の写真、山鉾のてっぺんにある長刀(なぎなた)が見えますでしょうか?

7月14日・長刀鉾のようす

クライマックスは山鉾巡行ですが、宵宵山の7月15日、宵山の7月16日には、京都の四条通りを中心にあちこちに山鉾が立ち並び、大勢の観光客で賑わいます。夜店や屋台も多く出店し、街は大いに盛り上がります。

「祇園祭ごみゼロ大作戦」でごみゼロをめざす!

ところが、そこで問題になるのが、ごみです。祇園祭では毎年約60トンものごみが出てしまうとのこと。

そこで、市民団体や行政などで構成される祇園祭ごみゼロ大作戦実行委員会は「祇園祭ごみゼロ大作戦」に取り組んでいます。これは、夜店や屋台のみなさん、ボランティアさんとで協力して、使い捨て容器ではなくリユース容器を使うなどの取り組みにより、ごみゼロの祇園祭をめざすものです。

2014年に始まり(日本初・世界初)、2013年には60トンを超えていたごみを、34トンまで減らすことに成功したそうです(出典:祇園祭ごみゼロ大作戦)。プロジェクトの詳細はウェブサイトをご覧ください(下の画像をクリック!)。

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祭りがますます盛り上がる一方で、ごみは減るというデカップリング

個人的におもしろいなーと思うのは、「デカップリング(切り離し)」が実現していることです。2014年は前年に比べて観光客が増え、祭りがますます盛り上がる一方で、環境負荷であるごみはむしろ減ったのは、ごみゼロ大作戦の成果でしょう。

普通は活動量が増えれば環境負荷が増えると思われがちですが、必ずしもそうではないのです。日本を除く先進国のほぼ全てで経済成長とCO2排出のデカップリングが進んでいることが思い起こされます。

今年も、祭りが盛り上がりつつも、さらにごみ減量が進めばいいですね!

気候ネットワークも「祇園祭ごみゼロ大作戦」に賛同しています

この「祇園祭ごみゼロ大作戦」、気候ネットワークも賛同しています。ごみを燃やせば当然CO2が出ます。温暖化防止の観点からも、ごみを可能な限り減らしていかなければなりません。

もともとは、疫病の被害をうけて厄除けを願ったといわれる祇園祭。現代に生きる私たちは、地球温暖化による各地の異常気象の被害に思いを馳せつつ、その厄除けを願って京のまちを練り歩いてみる、というのはいかがでしょうか?祇園祭が、温暖化防止の願いがより一層広がっていくきっかけになりますように!

この記事を書いた人

気候ネットワーク
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気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。