暑い日が続きますね。皆さん如何お過ごしですか。
初めまして。今月から気候ネットワークのインターンシップに参加している武井七海です。インターン開始日でもある8月1日に自然エネルギー学校の第3回「自宅でできる?!自然エネルギー100%」がオンラインで開催されました。講師は国立環境研究所の小端拓郎さんでした。小端さん、ありがとうございました!今回は小端さんの講演の後に、質疑応答を挟んで、少人数に分かれての交流会が行われました。
1. 講演「私たちの選択と、PVとEVの役割」
今回の内容をざっくり要約すると以下の3点になります。
- PV(Photovoltaic、太陽光発電)とEV(Electric Vehicle、電気自動車)の価格は年々減少
- 屋根上PVとEVを組み合わせで安価な再エネ電源に
- コミュニティーでPVとEVを取り組むことによって、スケールアップが可能
1-1. PVとEVの価格減少
PVシステムの価格は2030年には現在の半額以下になると言われているそうです。また、EVも2030年にはバッテリーの価格が半額になり、ガソリン車よりも安くなると予想されています。
1-2. 屋根上PVとEVの組み合わせ
皆さんは太陽光発電と聞いてどのようなイメージを抱きますか?
私は、急傾斜地に設置された太陽光パネルが地滑りの原因になったり、太陽光パネルを設置するために、森林伐採が行われたり、ネガティブなイメージを抱いていました。講師の小端さんも大規模な太陽光発電が環境に与える影響を懸念していました。
一方で、屋根上PVについては、設置における環境負荷が小さいため、屋根上PVを普及していく必要性に言及していました。しかし、屋根上PVを導入する際に障壁となるのが、発電した電気を蓄電できないことです。そこで、V2Hという仕組みを提案していました。
V2Hとは屋根上PVとEVを組み合わせて、電気を自給自足するシステムです。ここではEV=電気自動車に加えて、EV=動く蓄電池という発想の転換が行われていました。このシステムを導入することで、二酸化炭素排出量を大幅に削減できるだけでなく、電気代やガソリン代も節約できます。
しかし、車の使用頻度が高い人には経済性が伴わない点や、個人の電力需要によってPV設置面積が決まるため、屋根を最大限活用できないという課題があります。
1-3. コミュニティーでの取り組み
そこで、コミュニティーレベルでPVとEVを組み合わせたシステムを導入することで、より効率性を高めることができます。さらにこのシステムは、自然災害の時にも重要な役割を果たすことが期待されています。10年前にこの構想を聞いたら、夢物語と思っていたかもしれませんが、私は現実的な提案だと思いました。まだまだ、実際にコミュニティーレベルでEVとPVを導入するには課題が山積していますが、私たち市民がその実現にできることはあるでしょうか?
2. 交流会
今年はCOVID-19の影響で自然エネルギー学校はオンライン開催となりました。日本中の様々な地域の方が自宅などから参加していました。COVID-19はマイナス面ばかりが日々報道されていますが、こういう良い側面は積極的に利用していきたいですね。
さて、交流会は少人数のグループでの話し合いでした。私が参加したグループの方は、PV,EVを含む気候変動に関する知識が豊富で、自分の考えもしっかり持っており、私ももっと勉強しよう!と刺激を受けました。
例えば、「自然エネルギー100%を達成するために自宅でできることは?」というお題に対する回答では、自宅でPVを設置することを検討したが、難しかったため、電気プランを、再生可能エネルギーを含むプランに変更した、という方がいらっしゃいました。気候変動の問題を認識し、PVが果たす役割を理解し、実際に電気プランを変更するという行動を起こしていることが、素晴らしいなと思いました。
参考:再エネ中心の電力会社に切り替える・パワーシフトキャンペーン
3. まとめ
初めて参加した自然エネルギー学校は、新しい知識を得られたことに加えて、気候変動に取り組む方々と出会うことができました。
私の現在の住居では、太陽光パネルを設置したり、電力会社を変えたりすることはできません。では、今できることは?と講演後に考えて、自宅でコンポストを使い始めました。生ごみの大部分は水分のため、焼却するには大量のエネルギーが必要になります。つまり、生ごみを減らせば、焼却時のエネルギーが少なくて済むのです。コンポストを導入してから約1週間ですが、今のところ生ごみは0です!生ごみの匂いからも解放されるのでお勧めです。一人ひとりができることは少ないですが、それを積み重ねて行くこと、コミュニティにその取り組みを広めて行くことが、我々にできることではないかと思います。
皆さんは、自然エネルギー100%を達成するためにどんな行動をおこしますか?
次回は京都大学の諸富徹さんとイー・コンザルの榎原友樹さんをお招きして、9月12日に第4回が開催されます。
この記事を書いた人
- 気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。
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