はじめまして、気候ネットワークでインターンをさせていただいているM.Kです。

気候ネットワークでインターンをしようと思った理由

大切なのは、環境問題の解決のための最初の一歩

私は、現在大学で環境学を履修しています。

環境学、というと実際にはどのようなことを学んでいるのか、という質問をよく聞かれるのですが、具体的には温暖化のメカニズムから、気象学、海洋学、また生態学などの幅広い分野を学んでいます。ですので、内容は基本的には科学的視点から見た環境問題です。

しかし、私は環境問題は経済的、また社会的に人々の日々の暮らしに深く関わりのあるものだと認識し、科学的根拠だけでなく、どうやって市民に今直面している問題について知ってもらうか、そしてどのようにして市民のひとりひとりが問題解決に向けて歩いていけるか、この最初の一歩がとても重要になってくると考えます。

環境学の理解を深め、問題解決のための市民活動を学びたい

今年の夏に向けてインターンを探しているときに、気候ネットワークでは、環境問題のひとつである気候変動について、地域に情報をもっと提供したり、こどもたちに温暖化についての教育を行ったりしていると知りました。そして、このような普段大学では体験できない新しい観点を通して、より深い環境学への理解と、現実的な問題解決に向けて地域レベルで市民がどのような活動をできるかを学びたいと思いました。

こどもエコライフチャレンジで学んだこと

今回のこの記事では、私が実際に体験させていただいたこどもエコライフチャレンジについて少しお話したいと思います。

温暖化防止教育のプログラム「こどもエコライフチャレンジ」

こどもエコライフチャレンジとは、気候ネットワークが京都市より委託を受けて行っている事業で、京都市立小学校の4〜6年生を対象とした、地球温暖化防止のための環境教育プログラムです。このプログラムは、2005年度より、京都市、京都青年会議所、気候ネットワークの協働事業としてスタートしました。その後、2007年度より京都市事業として実施されることになり、今では京都市立の全小学校で実施されているとても大きな取り組みです。

こどもエコライフチャレンジの学習会に参加

今回のインターンでは、私も何回かボランティアとして学習会に参加させていただきました。

そこでまず気づいたのは、こどもエコライフチャレンジには、こどもたちに温暖化のことをしっかり理解してもらうよう多々の工夫が凝らされていることです。例えば、「昨日テレビを見た人?」や「昨日水道の水を使った人?」などの、一見普通かと思うけれど温暖化に大きな影響を与えている日々の行動についての質問をプログラムの最初の方に投げかけることです。

温暖化防止教育事業「こどもエコライフチャレンジ」。こどもたちに問いかけ、答えを引き出す

温暖化防止教育事業「こどもエコライフチャレンジ」。こどもたちに問いかけ、答えを引き出す

このように、こどもたちの身の回りの生活と温暖化を関連付けることで、ひとりひとりが、温暖化に貢献しており、実際に自分たちの身に起きている重要な問題だということを認識してもらえると思いました。

また、後半は、「キュウリの旬はいつ?」や「クーラーの設定温度は?」などを含めたクイズを実施して、こどもたちに実際に自分自身でエコについて思考させたり、また、授業が終わったあとにもワークブックを配り、夏休みを通して自分の生活を見直してもらうなど、エコへの関心が短期的なものにならないよう、とても充実した、効果的なプログラムだと思いました。

そしてそう思ったのはわたしだけではありませんでした。学習会の最後にこどもたちに感想を発表してもらう際、多々のこどもたちが、「今までエコという言葉をきいたことがあったけど、なにかはよくわからなかったから、学べてよかった」や「これから今日学んだことを日々の生活に活かしていこうとおもった」など、とても前向きな思いを持って学習会を締めくくってくれました。そのようなこどもたちの声をきいて、地域レベルでコツコツと温暖化についての活動をしていくことの重要性をひしひしと感じました。

温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」学習会のおわりに感想をシェアするこども

温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」学習会のおわりに感想をシェアするこども

 

温暖化と私たちの生活はつながっている

今は、温暖化やエコといった言葉をよく耳にするけれど、実際に何が起こっているのか?温暖化といっても気温がどれくらい上昇しているのか?それは、実際に私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか?など、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。温暖化対策については政府や企業の間ではなされているだけで、私たちにはあまり関係ないと考えている人も多いかと思います。

しかし、それは違います。私たちの毎日の生活だけでCO2はたくさん排出されており、ひとりひとりがそれを見直さない限り、そして社会のしくみを変えない限り、地球を守ることは極めて困難です。したがって、このような市民への教育プログラムを企画し、市民に現状と解決策を明確に、またわかりやすく伝える機会を持つというのは、これから温暖化対策を強化していくうえで必要不可欠だと考えます。

日本では、まだしっかりとした温暖化対策のプランがない状況です。だからこそ、このようにこどもたちに温暖化について知ってもらうことは極めて重要だと考えます。これから日本を担っていくこどもたちが、今の現状とこれからの解決策について考えることで、将来この地球を、日本はどうやって守っていくのかを考える機会をもっと設けなくてはと思いました。

巡り来るどの時代も、地球が健康的な形で守られサステイナブルな社会が築かれるように

このブログのタイトルである、”Sending living messages to the future”は、そんな思いから選んだ言葉です。

これは、Neil Postman(ニール・ポストマン)という作家が彼の本の文中にて用いたとても有名な言葉を省略化したものです。原文は"Children are the living messages we send to the future"です。

これを直訳すると、「こどもたちは私達が未来におくる生きたメッセージである」。巡り来るどの時代も、地球が健康的な形で守られサステイナブルな社会が築かれるように、メッセージ(こどもたち)を未来に送る。それが今を生きる私達の使命のひとつであると、このエコライフチャレンジを通して感じました。

また、こどもたちだけでなく、私自身も、これから環境学という分野に関連するどのような仕事に携わっていくかはまだ定かではありませんが、今回このこどもエコライフチャレンジを通して学んだことをしっかり胸に刻み、温暖化及び悪化する環境問題の防止に努めていきたいと思いました。

この記事を書いた人

気候ネットワーク
気候ネットワーク
気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。