こんにちは。京都事務所インターン生の鈴木です。
損保ジャパン日本興亜環境財団のCSOラーニング制度を活用して、2014年の6月から気候ネットワークでインターン活動を行ってきました。3月末をもってインターン期間が終了になり、今回は約1年弱の活動を振り返っていきたいと思います。
1)COP20@ペルーに参加
私のインターン活動の中で一番のハイライトは、2014年12月にペルーで開催されたCOP20(気候変動枠組条約第20回締約国会議)に参加させて頂いたことです。私自身、国際会議を傍聴する機会は初めてだったので、何から何までがとても新鮮で刺激的でした。世界各国の政府代表団がリマ(ペルーの首都)に一堂に会し、気候変動問題をどのように解決していくのか、という交渉を間近で見る経験は一生の「財産」になりました。
気候変動に関する前提知識がない中で参加した私は、最初の数日間は専門用語の理解をするのに必死でしたが、スタッフの方にサポートして頂き、徐々に交渉の争点が分かるようになり、日本の立ち位置や先進国と途上国の根深い対立関係などについて教科書を読んだだけでは分からない「臨場感」を肌で感じることができました。
その経験に加えて、何よりも国際社会におけるNGOや市民社会の役割を学ぶことができたのが大きな収穫でした。国際交渉を行う主要なプレイヤーは、各国政府ですが、NGOも気候変動交渉の行方に大きく関わっています。ある会議では「Civil Society(市民社会)」という席が設けられ、NGOが気候変動問題に関して堂々と意見を述べる機会があります。またある国では、政府代表団の中にNGOを入れて、政策決定に大きく影響を及ぼしています。それ以外にもNGO自身が現場レポートを速報で書き、積極的に市民向けの情報発信をしたり、デモやイベントを開くことでより多くの市民とともに気候変動交渉の前進に向けた「うねり」を起こしたりしています。
多種多様なNGOが様々な活動を行っていますが、共通していることは「交渉を少しでも前に進めて、気候変動問題を解決に向かわせる」思いです。現地でインターンとして活動することで国際交渉におけるNGOの役割を自分自身の中で整理することができました。
2)小学校での温暖化防止教育
インターン活動の中でもう一つの印象的な活動は、京都市内の小学校に赴き、地球温暖化防止の環境教育を行う「こどもエコライフチャレンジ」のお手伝いをさせて頂いたことです。将来の環境問題を解決できる人材を育成するため、地球温暖化についての授業を行い、どのように日々の生活をエコにできるのかということを小学生と一緒に考える活動に参加しました。
地球温暖化の仕組みをわかりやすく小学生に説明することは難しかったですが、それ以上に今の小学生がどんな考えをもっていて、どのように勉強に取り組んでいるのか、という環境という切り口から日本の教育の現場を見ることができたことが貴重な機会でした。まさに小学校の教壇に立たないと知ることができないことを自分の目で見ることができ、大学の机で勉強をするよりも何十倍もの価値がありました。
3)NPO・NGOで「働く」こと、高い「志」をもつこと
長期間のインターン活動を通して、COP20やこどもエコライフチャレンジに関わっただけでなく、ラジオ出演、シンポジウム補助、アンケート集計、統計調査などNPOの中で「働く」ことの一部を経験することができました。
私自身の意見としては、NPOで「働く」ということは、社会の問題を市民の目線で解決に携わるということだと思います。環境問題であれ、エネルギー問題であれ、様々な社会問題に対して現場で何が起きているのかを把握して、市民一人ひとりがその問題解決の行動し、より良い社会を築いていく。その一翼をNPOが担っているということを深く学ぶことができました。
そして気候ネットワークをはじめ、様々なNPO職員の方々にお会いさせて頂いて、何よりも大切なことは高い「志」を持ち続けることだと感じました。各NPOの規模は小さく、予算も限られていることも多く、普段は地道な活動が中心になります。そして自分たちが政府に対して声を上げ続けても、政府が行動を変えるとは限らず、気候変動に関しては、なかなか問題解決が前進していないのも現状です。
そのような困難な状況でも高い「志」を維持し、その問題の解決のために情熱を失わず、行動をし続ける。一人ひとりの職員が「主体性」をもって、決して悲観的にならずに、様々な人を巻き込み、未来志向で行動していく。高い理想や情熱を持ち、それを実行する強い行動力が必要であることを体感しました。
以上がインターン活動を通して、私が学んだ点です。4月からは私は社会人として働くことになりますが、この経験を広い意味で社会に還元できるように行動し続けたいと思います。
最後になりましたが、気候ネットワークの職員の方々をはじめとして、インターン中にお会いさせて頂きましたすべての方々に心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
この記事を書いた人
- 気候ネットワークに所属されていた方々、インターンの方々が執筆者となっております。
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